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オタクが10代の頃、自分はおしゃれだと勘違いし始めた話②


(※一応前回の記事の続きではありますが読まなくても問題ないです)

高校入学したあたりから、創作イラストを中心にしたサイトを運営し始めた。主に女の子を描いていたのだけど、人物絵って本当に自分のファッションセンスが反映されるもので……絵の中の女の子に何を着せたらいいか分からない私が着せていたのはセーラー服、シャツにシンプルなスカートなど所謂「制服」に見えるもの。まあもともと制服というモチーフは好きだったので、自己満で描く分には特に何も問題はなかった。

その当時私の描いていたガールズイラストというジャンルは、恐らく全盛期だったんだと思う。今がどうなのかわかんないけど。当時流行していた「お絵描き掲示板」を基盤とした交流サイトなんかでも、おしゃれな女の子のイラストを投稿している人は探さなくてもすぐに見つかったので。

私も交流サイトで人の絵を見たり自分の絵を投稿したりしていたクチだったので、自然と目が肥えた。制服のみを描くのも次第に物足りなくなって、周りの絵描きの絵や当時流行していた雑誌を参考にちょっとおしゃれな服装を描くことに挑戦したり、自分の絵の幅(というか描ける服装の幅)を広めたくて自然とたくさん描くようになった。絵を描きたいがために、高校では週一しか活動のない部活に入部した。

そうやって作れる時間を全て絵を描くことや見ること、他の絵描きとの交流に使った甲斐もあり、サイトを通してファンだと言ってくれる閲覧者さんや他のサイトの管理人さんも出てきた。交流サイトでコメントをたくさんもらえたりするのも、ただ純粋に嬉しかった。前回の記事で出来た友達もサイトを見てくれていて、私の絵に対してオシャレだね、とかこの絵が好き、とか嬉しい言葉をかけてくれた。気持ちいい言葉ばかり浴びていたせいで、自分はおしゃれで人を集めることができる人間のような気がしていた。

そんな日が3年くらい続いた頃だと思う。同い年でお互いのサイトを通して仲良くなった子と、一緒にごはんでも食べにいこう、という話になった。その子も女の子のおしゃれな絵を主に描いていた子だったから、ごはん食べたあと時間あったら服屋とか見に行ってもいいよねーと盛り上がった。

で、当日、待ち合わせ場所でお互いを認知した瞬間、めちゃんこショックを受けた。

ガチでおしゃれな女の子が目の前にいた。

服装とか詳しく覚えてないけど、モード系っぽい感じの……。高校卒業前後だったのもあって髪色は黒だったと思うけど、それでもきちんと手入れされていて服装にも合っていて、メイクも薄めではあるものの全体のバランスを崩さないように綺麗にされていた。(ていうかお顔のつくり自体がすごい綺麗だったのでメイク薄めでも余裕でバランス取れてたんだと思う)

一方私は、まわりで流行ってたからかけだけの取れかけのパーマをワックスで適当に固めて、当時古着系雑誌でよく見かけたアンティークっぽい総薔薇柄ダウン、あとなんか適当な黒Tとかにボトムスがまた薔薇柄を模したバルーンスカート。化粧は多分ダマになったマスカラで目元を強調していて、メイクはそれで終わりだったような……。眉毛とかもきちんと整っていなかった。しかもなんか気持ちよくて眉毛抜きまくってたからアホみたいに細かった。

相手の服装うろ覚えなのに何で自分の服は覚えてるかっていうとこれが当時の自分のお気に入りでしょっちゅう着ていたから。柄の主張が激しすぎることには当時気づけなかったの逆に凄いんだけど、高校時代できた時間をすべて絵にあてていたので、ヘアやメイクや自分が着る服の勉強などはまったくしていなかったし仲のいい友人と遊ぶときも大体学校帰りに制服でだったので、自分の服装を客観視する機会あまりなかったのかも(言い訳としては苦しいけど)。

で、相手の子もエッ?みたいな顔してたと思うけど、優しい子だったので「サイトのイメージと違いますね!」くらいで留めてくれた。気を遣わせて申し訳なかったな、と今でも思う。

オフ会自体はとても楽しくて、おいしいごはん食べて雑貨屋さんとか服屋さんとか見て楽しいまま解散したんだけど、私はマジのおしゃれさんを目にして自分のダサさに気付かされる結果となったことに内心ショックを受けていた。

私は勘違いおしゃれしかしていなかったんや……。


とりあえず当時お気に入りのコーデは柄の主張が激しすぎるやろということには自力で気付けたのでそこからは身につける柄とか色の数を絞ったり試行錯誤してた気がするけど、若干マシになったかならないかくらいで、迷走してなぜか髪色をアホみたいに明るくしたりしたのでヤンキーになりたくてなれなかった人みたいになってしまった。


結局そんな感じで垢抜けないまま、大学に入学した。

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