LINEの「ふるふる」が特許権侵害!特許権の侵害になる場合と対策とは【解説】
皆さま、こんにちは。
弁護士をしております、中野秀俊と申します。
今日のテーマですけれども、LINEの「ふるふる」が特許権侵害という事で、特許権の侵害になる場合とはというお話をしたいと思います。
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LINE社の「ふるふる」機能が他社の特許権侵害
報道でも大々的に報じられましたが、LINE社の「ふるふる」機能というものが、他社の特許権を侵害しているという事で、東京地裁がLINE社に対して1400万円の支払いを命じました。特許権侵害という事ですが、これはLINE社がやってしまうくらいなので、他人事ではないというところで今回は特許権についてお話をしたいと思います。
この特許権ですが、これは申請をして登録が必要になります。いわゆる出願をしてから取得するまでに数年かかります。これには色々なパターンがあり、非常に早く数か月単位でできる場合もありますが、通常の手続きであれば出願という申し込みから取得するまでに数年かかります。特許権を出願するという事になると、いわゆる著作権であれば何かしらのオリジナリティがあれば著作権が発生し、登録も必要ありませんが、特許権の場合は発明である必要があります。発明とは何かというと、新規性といって誰もそれをしていない新しいものである場合と、進歩性といって非常に進んでいるというものが発明にあたるとされています。こういった発明にあたるものでなければ、そもそも特許権は認められません。
特許権侵害になる場合とは
では、特許権を取得した、もしくは誰かが特許権を持っている場合にこの特許権を侵害するという事はどういう事なのでしょうか。これは特許請求の範囲というものが決められています。特許を取得すると特許公報というものに掲載され、その特許については誰でも見て調べる事ができます。そこに特許請求の範囲というものがあり、この特許はこういう特許であるという請求項というものが書かれています。この請求項を全て侵害する場合は特許権侵害となります。ポイントは全てです。つまり、例えばこの請求項が1から10まであった場合に、この1から10までを全て侵害すると特許権侵害になります。逆にいうと、この請求項に1個でも該当しなければ、特許権侵害ではありません。なので、例えば1から9までは一緒でも10は違うという場合は、特許権侵害ではなくなります。
特許権はどうやって取っていく?
では、そうなると戦略的にどう特許を取っていけば良いのかという事になります。まずは請求項を広くとるという事が1つ考えられます。広くとるのはなぜかというと、それに該当するサービスがどんどんそこに含まれるので、特許権侵害になる範囲が広くなるわけです。そうする事で特許権侵害といいやすくなる、他社が真似しにくくなります。ただ、広すぎると新規性がなくなります。例えば、漠然とある消費者とある消費者をマッチングしますといった様なものだと、これはCtoCサービスなのですが、別に新しくはないわけです。広すぎると新規性がなくなってしまって、特許自体が取れなくなってしまうので、どういう風にしていくのかというのはテクニック的なところがあります。
特許権侵害にならないために
では、特許権侵害にならない様にする為にはどうすれば良いのかというと、請求項を見てかぶらない様にするという事が1つあります。先ほどお話した様に、1つでもかぶらなければOKなわけです。なので、1から9までは一緒。言ってしまえばパクってしまう。でも10は全く違うという事ができればそれは特許権侵害ではなくなります。それは類似のサービスかもしれませんが、特許権は侵害しないという事で問題はありません。
特許権とはそもそも何なのか、特許権を取る場合はどうなのか、侵害しない場合はどうなのかというところはきちんとおさえておいていただければと思います。
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