見出し画像

誠意を見せろと言われたら【弁護士が教えるクレーマー対策養成講座】

皆さま、こんにちは。
弁護士をしております、中野秀俊と申します。
今回のテーマなんですけれども、よくクレーマーの人が言う言葉「誠意を見せろ」対策です。ドラマではよく聞く言葉ですが、言われる場面は結構あります。

YouTube動画でご覧になりたい方はこちら!
誠意を見せろと言われたら【弁護士が教えるクレーマー対策養成講座4】

弁護士に相談したい方はこちらから
問い合わせフォーム

チャットワークでの問い合わせ

悪質クレーマーの特徴

クレーマーの特徴として、自分の要求を言わない、曖昧にするというものがあります。

実際「金を出せ」となると、それは恐喝になってしまう可能性があるので、曖昧にぼやっと「何してくれるの?お宅」、「誠意を見せて欲しいんだけどな」、「いや、お金の問題じゃないんだよ」などと言ってきたりします。
お金の問題なんですけど、「お金の問題じゃないんだよ」と言ってきたりするわけです。なので、クレーマーに対応する為にはまず、クレーマーの要求内容を固めましょう。何が望みなのか?という事です。

それがはっきりしない間は、こちらから提案する事は控えた方が良いと思います。こちらから何か申し出てしまう、提案してしまうと、更に次、次、次という形で向こうが要求してくる可能性があります。なので、あくまでクレーマーの方から要求内容を言わせましょう。クレーマーは要求内容を曖昧にするという特徴があるので、必ずここを固める必要があります。
「ご要望は何ですか?」、「何をお望みなんですか?」という事をきちんと質問しましょう。それでも「いやいやいや、誠意を見せろよ」という風に言われた場合は、もっと踏み込んで「誠意と言われましても、分かりません」、「金銭的な要求ですか?」という事をきちんと質問してしまいましょう。「金銭的な要求なんですか?」と聞いてしまって、「いや、違うよ」と言われれば、金銭ではないという事がはっきりしますし、金銭の要求であれば金銭の要求で毅然とした対処すれば良いという事になります。やはり、これをきちんと聞くという事です。相手が言わないのであれば、「金銭的な要求ですか?謝罪ですか?」という形で「こうですか?」、「こうですか?」と聞いてみるという事が大事かなと思います。ここを曖昧にしたまま進めると非常に危険です。

金銭的な要求をしてくるクレーマーの対処法

では、金銭的な要求をしてきたとなると、当然会社としてはなかなか受け入れる事は難しいかなと思います。なので、その場合には「すみません」と意味のない謝罪をします。そして、「申し訳ありません、恐れ入りますがお金を払うという事はできません」という事をきちんと言った方が良いです。
勿論、例えば怪我をさせてしまって入院費という話であれば当然それは応じなければいけない部分があるのかもしれませんが、不当な要求の場合は曖昧にしてしまうとそこにつけ入られるという事があります。なので、「誠意を見せろ」、「金銭的な要求だ」という話になって、それができない場合には、「できません」ときちんと言う事が大事かなと思います。

クレーマーから訴えるぞ!と言われたら

では「できません」と言った場合に、次によく出るフレーズがあります。それは何かというと、「じゃあ、訴えるぞ」というものです。
このクレーマーの「訴えてやる」には意味がないと思って下さい。実際に訴えてやると言って、訴える人がどれだけいるかというと、ほとんどいないのが実状です。
私は弁護士をしているので分かるのですが、訴訟をするというのは非常に大変です。労力もかかりますし、弁護士費用もかかりますし、裁判の実費もかかりますし、年月も1年位かかるわけです。そうなった時に、それをやるのかという話になってきます。不当なクレーマーは何とか譲歩を引き出そう、相手に要求をのまそうとして言っているわけですので、「訴えてやる」という言葉に対しては意味がないと思って頂いて結構です。

逆にこの「訴えてやる」という言葉は交渉を終わらせるチャンスだと思って下さい。相手が「訴えてやる」と言った時点で、「分かりました、もう話し合いは終わりですね」「では、こちらも顧問弁護士なり弁護士に相談します」という事で弁護士に投げてしまえばOKです。
また、「訴えてやる」と言われたからといって、すぐに何かが始まるわけではないです。当然、実際には訴えてこない事が大半ですし、仮に訴えられたとしても裁判はすぐには始まらないです。裁判の場合は当然、一方の意見を聞いて終わりという事はないわけですから、相手の原告から訴状というものが届き、それに対する反論をする機会がありますの。
それに対して反論をしていくという、まさに大人の喧嘩になります。訴えられると悲惨な事が待っているのではないかと思われるかもしれませんが、それは絶対にありませんので、「訴えてやる」に怯まない事が大事です。

弁護士に相談したい方はこちらから
問い合わせフォーム

チャットワークでの問い合わせ

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?