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賭博罪になるの?ならないの?パチンコや競馬はOKでカジノはダメ?

皆さま、こんにちは。
弁護士をしております、中野秀俊と申します。
今日のテーマですけれども、賭博罪になるの?ならないの?というお話をしたいと思います。

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何をすれば賭博なの?

賭博罪については多くのご相談をいただきます。また、オンラインカジノについての解説をした際には「競輪や競馬があるのだから、そもそも違反にはならないのでは?」というコメントもいただきました。とくに下記のようなご意見・ご相談が多いので、少し解説をしたいと思います。
 ・何をすると賭博罪なの?
 ・競馬、競輪があるのだから賭け事自体に問題ないのでは?
 ・IR推進法があり、日本にカジノをつくるのであれば賭博もOKになるの?
 ・パチンコは賭博じゃないの?

まず、何をすると賭博なのかについてお話します。賭博罪の構成要件としては、①偶然の勝敗により②財物や財産上の利益の③得喪を争うことであり、④賭けの対象は一時の娯楽に供するものではないこととされています。
ポイントはこの得喪です。得喪とは誰かが得をし、誰かが損をする関係になり、ここが非常に重要となります。偶然の勝敗によって利益を得るだけであれば賭博ではありません。
たとえば、M-1です。M-1は漫才を審査員が審査し、優勝者は賞金1,000万円が貰えます。これはまさに勝敗によって勝った人が1,000万円を貰っているわけですが、テレビで行われており賭博にはなりません。これはなぜかというと、誰も損をしていないからです。M-1の場合はスポンサーから勝った人に1,000万円が支払われています。これがたとえば出場者から参加費を集め、優勝者が総取りであれば得をする人と損をする人がいることになり、賭博になります。

競馬や競輪は賭博じゃないのか!

では次に競輪や競馬はどうでしょうか?これはまさに掛け金を勝った人に分配しているので、得喪にあたり完全に賭博といえます。賭博ではありますが、特別に法律で許されている、いわゆる公営ギャンブルとして許可されています。競輪、競馬のほかにボート、totoなどがありますが、特別に法律で許されているからOKなのであり、何の許可も得ていない人が行なうと当然、賭博になるので注意が必要です。

IR推進法は、どうやねん!

またIR推進法については、これはカジノだけではなくカジノを含む総合型リゾート施設の推進を図るための法律です。もちろんここにカジノもつくられますが、国が認めたカジノのみがOKなので、私的にバカラやルーレットを行うことは認められていません。あくまでも例外的に特別に認められているという点には注意が必要です。

パチンコは賭博なの?賭博じゃないの?

そして最後によくいわれるのが、パチンコです。「パチンコは賭博なのでは?」とのご意見も多いですが、ご存知の通りパチンコは三店方式がとられています。パチンコ店は「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律」いわゆる風営法で景品の提供ができます。そして、パチンコ店とは違う古物商がその景品を買い取り、それを現金化するという仕組みになっているわけです。ですので、あくまでもパチンコ自体は風営法によって景品を提供しているだけで別の業者が買い取っているため、賭博ではないとされています。
では、この三店方式が他のケースでも使えるのかというと、おそらくアウトになると思います。正直、これはパチンコにしか許されていません。理由は既得権益などいろいろあるかと思いますが、実はアンタッチャブルなところがあります。ですので、パチンコと同じ仕組みを使うとおそらく賭博とみなされるのではないかと思います。

このように何が賭博にあたるのかについては非常にセンシティブな問題ではありますが、基本的に賭博は認められていません。誰かが得をし、誰かが損をする、いわゆるギャンブルについては日本では規制がされています。競輪、競馬などの許可されているものや、例外的に賭博にあたらない仕組みがとられているパチンコなどもあります。しかし、これらは特別であるということを抑えておいていただければと思います。

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