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週刊小売ニュース|2023/1/16週
2023/1/16週(1/16-1/19)にピックアップした小売業界ニュースをお届けします。今週のおさらいにぜひどうぞ!
アリババは「後払い」による海外売上拡大を目指す
先週のピックアップでもBNTLが活況という記事が複数ありましたが、今回は覇者「アリババ」です。
欧州のAliExpressの顧客が商品到着後に代金を支払うことを可能にする新サービスです。このサービスはまずドイツ、スペイン、フランスで展開され、他の国際市場に拡大する可能性があると、ジョージア州アトランタに拠点を置き、オーストラリアに上場している Splitit は述べています。これは「Pay After Delivery」と呼ばれ、個人がクレジット カードで商品を分割払いできるようにするものです。
Splitit Paymentsとアリペイの事業提携により実現されたサービスです。
売り手の大半が中国にあるアリペイにとって、配送期間の長さがネック(平均10~15日)となり、アリペイ前払い導入がなかなか進まなかった点を解消する目的のようです。
2023年の小売業界の見通し
デロイト・トーマツの記事によると、小売業界の3つのトレンド/優先事項として以下3つが挙げられています。
ラストワンマイル機能
リバースロジスティクス
ソーシャルコマース
●ラストワンマイル機能
自動化されたマイクロ フルフィルメント センター (MFC) に投資して、より収益性の高いラスト マイル配送ソリューションを作成することを検討する必要があります。MFC は、保管容量とスループット レートを向上させ、複数の店舗の注文に対応し、他の方法では注文を取りに行く従業員を解放することで効率を高めることができます。MFC は、小売業者が潜在的に到達できる即日および翌日サービスの範囲を拡大できるため、特に魅力的です。
●リバースロジスティクス
すべての返品は、小売業者にとって売上を節約する機会です。小売業者は、店舗内のリバース ロジスティクス機能を活用することを検討する必要があります。対面での返品は、郵送による返品の費用を削減しながら、すぐにクレジットを受け取りたいという顧客の要望を満たします。また、返品バー (パートナーとなる小売業者のために返品を梱包して発送する店舗) の人気が高まるにつれて、追加の店舗トラフィックを促進し、顧客ベースのフットプリントを拡大する機会があります。これは、インフレの時代には理想的な状況です。最近のデータによると、返品バーに参加している小売業者は、処理コストを 20% 以上節約できます。
●ソーシャルコマース
新規顧客を獲得するコストは、古い顧客を維持するコストの最大 6 ~ 7 倍になる可能性があり4 、ソーシャル コマースは、既存の顧客ロイヤルティを強化するのに役立ちます。小売業者は、テクノロジーに投資して、ソーシャル チャネル内でシームレスな購入体験を提供し、ショッピング可能なメディアでユーザーを購入に誘導し、ロイヤルティを作成する必要があります。商品情報を含む買い物可能なタグを有効にし、ブランドのウェブサイトをソーシャル メディア アプリに埋め込み、アプリ内トランザクションを有効にすると、ショッピング ジャーニーの摩擦を減らすことができます。
中でも気になるのは、ラストワンマイル・リバースロジスティクス。小売りのトレンドとして、物流と決済はまだまだ改善・進化の余地があるということ。
リバースロジスティクスは「HappyRetunes」に代表されるような連携している小売業者の商品をまとめて送ることで物流を効率化し、消費者の負担を減らす事業態が今後増えていくのではないかと思っています。
日本国内においても、物流はますます活況になる一方で担い手は限りがあり、かつ人海戦術でのお届けは本当に厳しくなっていくはず。2023年は配送業者に任せるだけの実施施策ではなく、ラストワンマイルへの進化が問われていく1年になりそうです。
【挑戦者】ムダな「大量生産」にビジネスチャンスあり
有料会員記事なので、要約をさらっと。
ニューヨーク生まれのスタートアップ、シンプリファイバー(Simplifyber)は、ファッション業界の「不都合な真実」に挑んでいる。植物由来のセルロースを、3Dの型に流し込むことで、これまでにない方法でスニーカーや洋服を作ろうと、大手メーカーとも協議中だ。
まるでプラスチックの射出成形のようなイメージで、立体的なアパレル製品を、大量に作っていくといいます。
この方法があれば、洋服づくりはひとつの生産現場で完結し、管理もしやすい。輸送費もかからず、工程も少なく、コストも抑えられるのです。
いまファッション業界には、「織物」(woven)と「編み物」(knit)という2つのカテゴリーがあります。そこに「3Dプリンティング」が新しいカテゴリーとなる。
とても興味深い仕組みだと思いました。
需要予測が難しく、かつ原料高(≒原料生産量減)という状況の中、大量生産の仕組みそのものを変えるという発想の転換がおもしろいインタビューでした。
この仕組みが主流になる日には、私たちの購買体験も大きく変わるような気がします(調査では買った商品を7回着ないという結果もあるそうです。驚愕!)
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