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遺伝を超えていけ! - 身長があと少し高かったなら(1)

「クレオパトラの鼻がもう少し低かったら、世界の歴史も変わっていたかもしれない」

世界が変わるかどうかはさておき、誰もが一度は「見た目や素質が今の自分と少しだけ違っていたら、違った人生があったのでは」と考えたことがあるのではないでしょうか。

その中でも、「あと少し身長が高かったら(低かったら)…」というのは、部活やスポーツ、学生時代の恋愛、就職活動、社会生活など、あらゆる場面で思ったことがある人が多いのではないでしょうか。実際に、身長があと少し高かったら、希望していたスポーツ選手になれたかもしれない、あの大学に入学できたかもしれない、という話を耳にすることもあります。

子育てをする親にとって、子どもの将来は常に心配の種です。特に子どもの成長期には、身長がなかなか伸びないことや、体がなかなか大きくならないことで悩んでいる親御さまも少なくありません。学校や習い事の先生にそのような相談が多く寄せられているという事実が、GROWNIQUEをスタートするきっかけとなりました。

身長は人生に影響を与えるのか?

身長は人生の様々な側面に影響を与えることが、世界の学術研究で明らかになっています。

  • アメリカでは身長が10cm高くなると、所得が約4%伸びる、アジア地域では約9%伸びる (*1)

  • 経営層の男性の身長は平均身長よりも高い (*2)

  • 身長が高い人ほど結婚している割合が高い (*3)

  • 身長が高い人ほど幸福度が高い(*4)

これらの研究結果は、身長が単なる身体的な特徴ではなく、人生の成功や幸福に重要な役割を果たす可能性を示唆しています。(*5)

身長と自己肯定感

身長と人生の様々な側面の間になぜ相関関係があるのでしょうか。現在も様々な議論がなされています。その中で、私たちGROWNIQUEが注目しているのが、身長の高さがもたらす自己肯定感・自尊心への心理学的な影響です。

身長が高いと、自分の身体に対して肯定的な認識を持ちやすく、それが前向きな姿勢につながります。その結果、多くのチャレンジや経験から、自信や自己肯定感を高めるポジティブな影響を受けやすくなるのです。

一方、成長段階において、身長が低い場合は適切なサポートが必要です。誰でも感じたことがあると思いますが、自信をなくすと人は肩をすぼめて小さくなり、周りを「見上げ、仰ぎ見る」ような状態になります。身長が周囲よりも低い場合、この状態が常態化し、それが原因で気が弱くなり、自己否定的な感情を持ちやすくなるとの研究結果があります。(*6)

成長期は周囲との差を意識しやすい時期ですので、子供の個性や長所を認め、自信を育むような声掛けを心がけたいものです。

一つでも多くの自信要素をもってチャレンジ溢れる人生を

このように、身長は個々の価値を決める要素ではありませんが、社会的な影響や将来の展望を考える際には一定の役割を果たすことがあります。人の価値は多様であり、身長だけでなく、その他の能力や特性も同様に重要です。

グローバル化が進む現代社会において、身長は将来の可能性や活躍の場を考える上で、無視できない要素の一つと言えるでしょう。GROWNIQUEは、子どもたちが将来の可能性を最大限に発揮できるよう、健やかに成長できるようサポートしていきます。

(続く)
遺伝を超えていけ! - 身長があと少し高かったなら(2)では「身長は遺伝が8割!?」「遺伝を超えるためにできること」についてお話しします。


参考文献
*1 Thompson, K., Portrait, F., Schoonmade, L. (2023). The height premium: A systematic review and meta-analysis. Economics and Human Biology, 50, 101273.
*2 Gladwell, M. (2005). Blink: The Power of Thinking Without Thinking. Little, Brown & Company, New York.
*3 Manfredini, M., Breschi, M., Fornasin, A., Seghieri, C. (2013). Height, socioeconomic status and marriage in Italy around 1900. Economics & Human Biology, 11(4), 465-473.
Yamamura, E., Tsutsui, Y. (2017). Comparing the role of the height of men and women in the marriage market. Economics & Human Biology, 26, 42-50.
*4 Carrieri, V., Paola, D. M. (2012). Height and subjective well-being in Italy. Economics & Human Biology, 10(3), 289-298.
*5 田中賢久 (2010). 身長と体重が賃金に及ぼす影響. 慶應義塾大学経済研究所 パネルデータ設計・解析センター ディスカッションペーパー, DP-2009-010
*6 Daniel Freeman et al. (2014). Height, social comparison, and paranoia: an immersive virtual reality experimental study. Psychiatry Res.,  218(3), 348-52. 

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