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情報とブランディングで「味」は決まる。

どんなに自然栽培やオーガニックにこだわっても、口コミ情報やサービスで味は変わってしまう。今はミシェランよりもインターネットサイトの方が怖い時代だ。まず宿泊施設など行ったこともないのに口コミ評価で決まるのだから。価格と期待値が想定よりも良かった場合はいいし、期待値よりも低い場合「書き殴られる」・・良いサービスとは受け手とのタイミングでしかない。色々な要素が絡み合いその人の評価になる。「料理と料理の間が30分も待った」「こんな熱々な料理なのに皿が冷たい」「サービスマンの説明が長いしわかりづらい」「話しているのに邪魔するな」「一人の客とばかり話していてこっちに来ない」いつもは出来ているのに今日のお客には出来なかった・・こんなタイミングが評価につながってしまうレストラン業界。サービスマンも人間だから体調が悪時もあるだろうし、身内の不幸などで、うわの空の時もあるかもしれない。なのでレストラン&宿泊業界も「縁」と「運」と「タイミング」なのである。それをお互い気落ち良く引き出すのが店とお客の相乗効果ともいえる。美味しい「味」とは万人がおおよそいいとされるものでしかないのだ、普段食べ慣れないものは意外と美味しいとは言えないのだ、それがトリュフ、キャヴィア、フォアグラ、本当に美味しいのはこの中でもごく一部でしかない。食べるその日にタイミングよく入荷できた。そんな運を引き寄せる生き方をしている人もいるだろうが、大半はそうではない。普段食べているものよりちょっと洗練されたものが美味しいと感じる。野菜のソムリエ、自然栽培に長けた料理長、魚介類の専門の調理人など!この人の料理はうまいと評判だ!との情報でいざ食べて満足する。仮にそのシェフたちが化学調味料バリバリの隠し味だったり、一般的に使われている出汁を買ってきて使ったとしてもわからないのだ。そして見抜けない。でも「感動は作れるのだ」これが今の時代のあり方かもしれない。少ない人数で仕込みを1から10まで手作りできる余裕のあるレストランやオーベルジュは少ないだろう。理想はいいが疲弊するだけだろう。サービスは「心」の余裕が作り出す。これはサービスマンも調理人も一緒だ。普段どれだけ常に安定していられるかはコロナ時代にはさらに難しいかもしれないが、自分がイライラ仕事していれば確実に従業員、お客に伝わることは心得ておかなければならない。「私は自然栽培の野菜と天然ものだけしかたべない!」とあれもダメ、これもダメとストレスマックスにしている食べ方と添加物バリバリのハンバーガー(2週間置いてもカビもでない)を比叡山延暦寺の僧侶のように穏やかな感謝の気持ちで召し上がるのと体に対する毒性はほぼ一緒である。結局「意識」が全てを変えてしまう。これは大袈裟な例だがそれぐらい普段の意識が重要なのである。作られた「情報」の方が商売にはなる、常に経営者は売れる物が優先されるが、どうせ高いお金を出すならやっぱり「添加物バリバリよりも」「ナチュラル」な物を食べてみたいものである。

サービスマン・ソムリエのオーベルジュマガジン

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