改修防災屋の記録32

2017年

4月
過去最大規模 延べ面積20,000㎡以上の工事が決まってしまいました。
とは言え受信機や総合盤などはそのままで、部屋のレイアウト変更に伴い感知器や非常スピーカーの増・移設を100か所程度。
配線は電気屋さんが行うという事で僕は器具付調整のみ。十分一人でも出来るレベルです。
とりあえずは現場調査を行い、LGSが立ち上がる頃に様子見、という感じで
しばらく現場を空けました。

5月
奥さんが退職しました。
奥さんは営業職に就いていて、毎日帰りが22時を過ぎていました。
手取りは20万円程度だったと思います。
毎日遅くまで働いていて、職場のストレスも多く辛そうだったので無理に働くことはないんじゃないかと退職を勧めていました。
奥さんは会社と若干揉めながらも無事に退職し、以降は一緒に現場で工事する機会が増えました。

6月
木造新築の飲食店工事を行いました。
観光地で工場も併設されたお洒落な建物です。
オーナーのこだわりが強く内装も変更に次ぐ変更で大変苦労しました。
仕上げ工程に入る頃には土間をやりながら天井塗装みたいな無茶苦茶な状況になっていました。
呼ばれて行ったら床貼りやっていて現場に入れず、明日になれば天井のパテ打ち即仕上げ、当然防災工事は夜中にやるハメになります。
一緒に現場入っていた奥さんには苦労をかけましたが、最初から最後まで工事を見られて楽しかったようです。

8月
例の大規模現場のLGSが立ちはじめ、配線をしていただく電気屋さんとの打ち合わせが始まりました。
開口一番「電気の配線で手一杯だから防災の配線はそっちでやってくれ」と言われ、衝撃でした。
元請けに報告し、一悶着あった後、僕の方でやらざるを得ない展開になってしまいました。
これを読んでいる方はそんなの断ればいいとお思いだと思います。
ですが当時の僕は断れなかったです。今でもなんて言えば断れたんだろうと思います。
この辺りの交渉力の無さは相変わらずで、完全に僕の能力不足です。

現場を見回ると更に衝撃的な事がありました。
始めに打ち合わせていた範囲を大きく超えて内装が解体されていました。
火災受信機も非常放送アンプも幹線もすべて撤去されていました。

ほとんど内装全解体です。
この時の僕はまだ事の重大さを分かっていませんでした。
まあ頑張れば何とかなるんだろうと思っていました。
経験不足故に想像ができなかったんでしょうね。

この現場は過去にも後にも一番ヤバい現場だと思います。

長くなるので続きはまた今度、、、




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