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#005 少しずつ知ろう グリーフケアのこと


1.グリーフを抱えた人をサポートする人

人は大切な愛着の対象と死別や離別をするとき、強い悲しみや喪失感を感じます。これを「グリーフ」と呼びます。日本語で「悲嘆」と言います。

そして、グリーフから回復する時は、さまざまな反応を示すものです。
混乱したり、立ち止まったり、前進したと思ったら後退してみたり、急に思い出して感情的になったり…。本当にいろいろな反応が起きますよね。
回復は簡単な事ではありません。とても長くて困難な道のりです。

そんなグリーフを抱えた人が、再び前を向いて歩いて、また笑えるように。そう願って、サポートする活動は、とても意味のあることです。
しかし、現在の日本では、どのような人がどのような形で、グリーフケアの役割を担うか、明確に決まっていません。

裏を返せば、どんな人でもグリーフケアの担い手になり得ます。
それは、家族かもしれないし、友人や知人かもしれません。
公的機関の職員や医療従事者かもしれません。
または、私が関わっているような市民団体かもしれません。

ですが、どうでしょう?
私たちは、グリーフケアについての知識や理解が不足しているとは思いませんか?
だから、もし皆さんが私と同じように、グリーフケアについて興味を持っているならば、これから一緒に学んで行きましょう。

2.日本グリーフ専門士協会

さて、グリーフケアについて学ぶとは言ったものの、私たち一般市民はどのように学べばいいのでしょうか?
私は、いろいろ探して「日本グリーフ専門士協会」にたどり着きました。

一般社団法人 日本グリーフ専門士協会 | 哀しみが打ち明けやすい、あたたかい社会を広げる (grief-japan.net)

協会のHPには以下のように書かれています。

グリーフは、人生において避けられない大きなテーマでありながら、
心理系の大学や大学院などの教育機関でさえ、グリーフに焦点を当てた講義は多くないのが実情です。

「グリーフは、人生において避けられないテーマ」。
確かにそうですね。私たちは人生のどこかでのタイミングで、必ず大切な人とお別れする日が来ます。だから、グリーフは特別なものでは無くて、身近にあるものですよね。

私たちの活動に加わる多くは、大切な人や動物たちとの別れを経験してきた仲間です。
そして、どのような喪失体験であろうとも、人生は決してそれだけでは終わらず、哀しみの向こうに希望を見出せることを、共に体験しながら歩んできました。

協会の活動に賛同している人は、「大切な人や動物たちとの別れを経験してきた人」とのこと。
つまり、医療従事者等に限らず、人種、年齢、職業、性別は関係なく、誰でもグリーフケアの担い手になり得るという事ですね。

「哀しみの向こうに希望を見出せる」というのは、哀しみの渦中にいる人にとっては、信じられないかもしれません。
しかし、「共に体験しながら歩んできました。」こう言ってくれるなら、心強いですね。

グリーフケアは、社会的な課題とされている
依存症や自殺防止にも繋がる重要な取り組みです。 

私たちは、自治体、NPO法人、医療機関などと協力しながら
わかちあいの会、カウンセリング、支援者の養成、研修や講演など、悲嘆支援に関する活動に幅広く取り組んでいます。

「グリーフケアは社会的な課題」。
私はそんな風に考えたことがありませんでした。身近な家族との死別のショックをずっと1人で抱えてきました。
ごく限られた人にしか話せなかったし、それをケアすることを社会的な課題と捉えてくれる人は周りにいませんでした。

「わかちあいの会、カウンセリング、支援者の養成、研修や講演など、悲嘆支援に関する活動に幅広く取り組んでいます。」とのこと。
グリーフケアには、こんなに様々な形があるのですね。
私はわかちあいの会に参加したことがありますが、他にもいろいろな支援の形があると分かって、とても視野が広がる思いです。

死別された方や死別悲嘆のサポートに関心をお持ちの方へ
日本グリーフ専門士協会は、語り、学び、集う、多様な場を創造し、死別悲嘆の総合支援グループとして社会に貢献してまいります。

心強いお言葉ですね。

3.グリーフケア入門講座

さて、ここまででグリーフケアの概要が理解できました。
次に私は、日本グリーフ専門士協会が主催する「グリーフケア入門講座」を受けることにしました。この講座は1回2時間で、無料で受講できます。

講座は、オンラインで開催されました。
みんなでカメラをONにして、はじめましてのご挨拶。

講師の先生はご自身も家族との死別を経験された方でした。
「ここで話したことは絶対に他言しないように。
 他言されないという安心感の中でしか話せないことがあります。」
講師の方から、はじめにこのように言われました。

参加者は私を含めて5人でした。詳しいことはお話しできませんが、5人とも女性で、みなさん参加目的はさまざまでした。

4.まとめ

グリーフケアのことを全く知らなくても、学べる場があるという事が分かりました。
まずは、お金や時間をかけず、入門講座を活用して小さくスタートを切ることができました。
今日は、長くなったので、ここで区切ります。
次回は、入門講座の様子を少しお話しできればと思います。



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