業界の陰謀 「恵方巻き」の謎

2月3日の節分、みなさん「恵方巻き」を作法に則って食べましたか?

今年の縁起が良いという方角に向かって願い事をし、黙って海苔巻き(太巻き)を食べるという、アレ(笑

昨日は、Facebookやなんかでこの「恵方巻き」が本式ではないと話題になってましたね。

「海苔業界の仕掛け」
「関西の陰謀」
「大阪の寿司業界が流行らせた」

などなど。。

気になったので色々とググってみたのですが、60年以上前に関西の海苔屋さんとお寿司屋さんが組んで海苔と寿司の普及のために広めたという説や、元々大阪では「節分の巻寿司丸かじり」の風習があり、今から40年程前に「海苔巻きの早食い競争」があって一気に広がったという説もあります。
また、コンビニのセブン・イレブンが25年程前から販売を始め、徐々に全国に展開。他のコンビニチェーンが右に倣えで一般化したと言われているようです。


で、昨日SNSなどでは「結局業界の陰謀だから何もありがたくない。むしろ止めよう」というような意見もありました。

「業界の陰謀」…

ふむ。よく耳にします。。

でもこの「恵方巻き」が「業界の陰謀」だとするなら、「バレンタインデー」も「クリスマス」も「ハロウィン」も「ホワイトデー」も「父の日」も「母の日」も「良い夫婦の日」も「端午の節句」も「桃の節句」もみんな「業界の陰謀」になってしまいます。

これらはその成り立ちに幾つかあって、

1)日本古来の伝統行事を現代に継承するためにわかりやすい今風の形に変えて引き継がれてきたもの
2)元々なかったけれど、ある商品や習慣の普及活動として広められたもの

が考えられます。

一般社団法人日本記念日協会によると、現在日本には「◯◯の日」という記念日が2400以上あり、毎年増え続けているそうです。1年365日とすると、毎日6〜7つもの記念日がある計算。なんじゃこれ!?の数字ですw
しかもこの記念日、例えば「デザインの余白の日」なんていうのも申請して承認されると、ちゃんと記念日として登録されるそうです(有料)。
でもこれ、記念日として登録されても一般的なカレンダーには載らないのです。つまり一般の方々はまったく知らないことになるのです。なので普及活動=キャンペーンをしないと誰も知らない記念日になっちゃうと言うことなのですね。


最近だと京都で施行された「日本酒で乾杯条例」というものも京都伏見が酒処でもあり、和食が世界文化遺産に登録されることに伴って「もっと日本酒を楽しんでもらいたい」「伏見の酒を世界の人々に知ってもらいたい」という熱い気持ちから起こった運動だと思うのです。この場合は官民一体となった様々なイベントや告知活動が展開され、話題性もあったのでこれから全国的にも広がり、いずれは定着していくんだろうと思います。そして当然そこには、企画やデザインを超えた企業や自治体の思惑があります。やっぱり商品が売れて観光客もたくさん来て欲しいからこそ、相当の予算を掛けて告知活動やイベントをするんだし。。

それらをひっくるめて「陰謀」とは言えないと思うのです。
業界や企業が生き残るために、また次の時代へ何かを残すための施策(努力)だと僕は思うのです。ま、ほとんどの場合は広告代理店などが仕切っている事が多いのも事実ですが。(悪いという意味ではないですよw)


で、「恵方巻き」。
陰謀だから食べないとかいう人が居たみたいですが、別に良いじゃないですか。なんだか知らないけれど、恵方を向いて巻きずしを食べたら健康で幸せになるって言うんですから。

因みに僕は昨日「太巻」ではなく「鉄火巻」を食べました。
「太巻」は具が多くてモサモサするので苦手なのですw

ということで、幸多い一年になりますように。