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【タバコ】缶ガラムは東南アジアの夢を見るか?

缶ガラムのいいところとして,缶を再利用できるところである.ちょうどいいサイズで蓋付きの缶がなかなか手に入らないので,色々なところで重宝する.最近だと,黒漆と溶剤を混ぜる容器として使ったが,底から漏れる様子もなく,意外と密封しているものだと感心した.

ガラムと言えば,東南アジア(インドネシア)を代表するタバコだ.中国で生産されている中南海とは全く別物で,特に缶ガラムは遠慮がないタバコとしても有名である.

よく言われるのが,ガラム臭いである.ガラムには丁子(クローブ)が使われており,その油が紙に染み込んでいることがある.丁子は高温を帯びると「バチバチ」と弾けるのが特徴で,吸っている身としてはとても楽しみ甲斐がある.しかし,丁子が焼ける匂いはとても甘ったるく,お香のような香りも特徴的である.

このお香臭さまで含めて楽しめるかどうかが,ガラムの第一歩として試されている感じはある.さらに,ニコチンとタールの量は黄色ピースを凌駕するため,重いタバコが苦手な人はさらに気持ちの悪い部類に入るだろう.タバコとしてヤニクラや香味,丁子の弾け具合などすべて含めて楽しめるかがまず試される.

基本スペック
タール:42mg
ニコチン:1.9mg
シャグ:クローブ,?
紙:比較的分厚い
フィルター:薄い,吸口に甘い香料がついている
燃焼速度:極めて遅い
扱いやすさ:簡単

ガラムはとにかく吸いやすい.甘ったるい香りも相まって,ヤニクラと合わせてまるで東南アジアに居るかのような感覚を味わえる.ガラムはタバコをエンターテインメントとして成立させているのが肝なのだ.

普通はここで臭いと思って1本でやめてしまう.タールとニコチンの高さを見てギョッとして,だいたい遠慮して吸わない.1mg以下のニコチンを吸っている人からすれば,ガラムのニコチン量は実に倍以上になる.なんとなく体に悪いと思って遠慮してしまうのだ.

だが,ガラムはそれを超えた満足感を提供してくれる.燃焼速度が遅いだけあって,一服するのに15~22分ほどの時間がかかる.ゆっくりと吸って落ち着いて,南国気分でささやかな休みを提供してくれる.ガラムは外で吸わないのがマナーだ.人と関わらず,自宅でゆっくり黙々と吸うのがマナーなのだ.

そう言ってしまうと,改めて感じるのがやっぱり甘い.吸口に香料が含まれているため,フィルターを舐めるだけで普通に甘い味がする.そしてやっぱりガラム独特の香りが部屋の中に漂うと,これはあまり外で吸っては喫煙者でも嫌がりそうだなと思いを馳せるのである.

ガラムの味でイメージするのは真夏の東南アジアである.吸った時間帯によって,なんとなくその雰囲気も変わる.朝に吸うと味気ない.昼ぐらいの温かい時間帯で太陽の日差しを浴びながら吸うと,サングラスを掛けながらアロハシャツを着て外を出歩いているような感覚になる.一方,夜に吸えばちょっと治安の悪いスラム街だ.真夏に吸えばちょっと悪がっているような感じがする.

ガラムはイメージを広げる.無駄に想像力の働くタバコなのがとてもいい.葉巻を吸いながらサスペンス映画を見るのもいいが,真夏にガラムを吸いながら換気扇を眺めるのも乙なのだ.

普段は研究していて生活が厳しいのでサポートしてくれる方がいるととても嬉しいです.生活的な余裕が出ると神が僕の脳に落書きを残してくれるようになります.