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ジキルtoハイド

白布をターバンのように頭からすっぽりと纏った男が
ちょっとワイルドな自転車にまたがり
砂漠をかけていった
よくよく轍をみたらそれは
それはきちんとエンジンのついた乗り物で
ばくはホッとした

だけど砂漠にぽっかりとあいた穴はどんどんふかく
そこに墜ち入った彼を救おうとぼくは砂を必死で
掻いて
おちゆくその白ターバンを纏った漢を引きずるりあげようと
だけど漢はどんどんんするりと凹みの中へと滑りヲ地
僕はとうとう穴の中へ腕を肩まで埋め込むようにして
手を伸ばしやっと漢を捕まえた

滑り落ちるように
さらさらとした砂の穴だけ有って踏ん張ることのできない
その足場の悪さ僕は一緒に滑り落ちることしかできない
そんな恐怖を感じるのかとおもいきや
自分の手が漢を捉えた瞬間ピタリとエネルギーが均衡をはかり
落下し行方二人をとどめたのであった

僕は勇敢にも漢を引き釣りだし白布ターバンを纏った男はきちんと
再び陸の上
何事もなかったように
ちょっと
ワイルドな自転車にまたがり
砂漠の上を走りぬけた

僕はまた一人になったけどそれは全くさみしいことでも
むなしいことでもなかった
だって僕は
人一人救ってやったんだもの


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