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かなったさんのnoteを読んで変体仮名をまとめてみる …このタイトル、 noteには場違いのような 汗



今日は普段書かないジャンルのnoteです。

かなったさんの今日のnoteに、最近使っていない脳領域がインスパイアされました 笑



そう変体仮名、大学時代に勉強しました。ほとんど忘れていたけれど 笑
入学したばかりの1年前期に、「文献調査法」なる授業があったのです。
若い頃の記憶って、ちょっとしたトリガーで鮮明に浮かび上がってくるんですね〜。
せっかく思い出したついでに、少しだけまとめてみようかな。


古典の仮名遣い…変体仮名、または異体仮名といいますね。
現在のひらがなのご先祖様的な存在、と捉えて良いと思います。
さらにもう一つご先祖様に万葉仮名がありまして。
音の表記に漢字を当てたことから始まり、その漢字が徐々に崩し字となって今に至るわけです。

例えば。
「あ」の表記を超ざっくり時系列でまとめると。

万葉仮名 「安」 平安後期まで

変体仮名 「安」を崩したもの 平安前期〜明治初期まで

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ひらがな 「あ」 明治後期〜

これだけ書くとさほど難しいものではないように感じるのですが、変体仮名の厄介さはバリエーションの豊富さにあります。

さきほどの「あ」の表記。どれくらい複雑かと言うと。

・「安」のみならず、「阿」または「亜」といったバリエーションがある
・加えて、それぞれに崩し方も複数あり(時代や書き手によって)
・さらには、同音が続く時には異なる字体を使い分ける

…「あ」が「あ」「ア」のみの世界で生きている現代日本人には、目が回りそうな世界なのです 汗
「あ」だけでなく、当然他のかなもこのような形になっています。複雑極まりないのです。


さて、ここからは今回少し調べたことを追記。

現行の「あ」「ア」に絞られたのは明治後期になってからです。
この頃に、仮名字体の統一が定められました。
明治前期までは、学校教育でも変体仮名を教えていたそう。

だたこれ、活版印刷が急速に広まってゆくにつれて、だんだん使われなくなったようです。
そりゃそうだ。
ひとつの音の表記に字体が複数って効率が悪いもの。

こうして時系列を整理してみると、字体統一は、活版印刷の普及、つまりテクノロジーを後追いするような形で決定されているんですね。
いつの時代もそうなのかな、興味深い。


それにしても、習得の難しい変体仮名解読がこんなに容易になるとは。
古典の写本とその元になっている本(底本)の分析も加速度的に進むんだろうなあ。

先月、大変貴重な源氏物語の写本(藤原定家本)が発見されましたが、
こちらの研究・分析は、このような最先端のテクノロジーが多用されるのかもしれませんね。







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