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#026 農業×防災 第5話:巨大災害に対する「個人」の備え

皆さん、こんにちは。
いつもブログをお読みいただき、本当にありがとうございます。

前回は巨大災害に対して「国」目線での備えの話をしました。

「国土強靭化」を行い極端な人口密集を徐々に解消するような形で「人口分散」を行う事で結果的に防災や減災に繋がるという事をお話しました。

今回は更に視点を下げて「個人」目線での備えの話をしたいと思います。

国主導でしかできないこともあれば個人単位でできることもたくさんあると思います。いつくるか分からない災害への備えとして少しでも参考になれば幸いです。

それでは引き続き最後までお読みいただけると嬉しいです。

まずは脅威を知ること!

個人の備えで第一に重要な事、まずは脅威を知ること。

とにかくこれが一丁目一番地だと思います。今後、どのような災害が発生する可能性があるのか、どこに、どの程度の被害が想定されているか、そもそも日本列島はなぜこんなに災害が多いのか、に興味関心を持って理解することが大事だと思います。

そのためには、まずはこのシリーズの第1回~4回をお読みいただけるとよいかもしれません。

自分の身の回りの影響は?

巨大災害が発生した場合、第一に自分や家族の生命を守る事が重要である点は言うまでもないですが、家等の財産を守る事も同じぐらい大事です。

なぜなら家の被害が自分や家族の生命に直結する可能性が大いにあるからです。

今後発生し得る脅威が理解出来たら、次に自分自身の暮らす地域に具体的にどのような影響があるのか、それを把握する事が重要だと思います。

このシリーズで示している具体例は「南海トラフ巨大地震」と「富士山噴火」ですが、例えば「うちの地域は最大震度どのくらいになるだろうか?」「津波の高さは?」「火山灰は何センチぐらい積もるだろうか?」という情報です。

さらに、ここからが今回の大事なポイントですが、ご承知の通り地震や噴火は自分自身の生命へ直接的な影響を及ぼす場合もありますが、副次的な事象による影響が大きい場合もあります。

この副次的な影響が自分にどのような損害を与えるかを想像、想定してみることが今回の大事なポイントです。

具体的に例を挙げると、
①地震→②土砂崩れ→③自宅の孤立
①地震→②液状化現象→③自宅の倒壊
①地震→②河川堤防の崩壊→③自宅の浸水
①噴火→②火山灰→③物流停滞→④食料不足

上記の例でいうと、②の影響が③で示すような姿で直接的に私たちの生命財産に損害を与えます。したがって、①の脅威と可能性を知った上で②の想定をする必要があります。

その結果が、自分や家族の生命を守る事に繋がります。

ハザードマップを見よう!

②を想定するために、まずは国や自治体のHPに掲載されているハザードマップを必ず確認しましょう。

このハザードマップ、ご覧いただくとわかると思いますが、結構細かい地域まで様々な被害予測シミュレーションがされているのがわかります。

特に水害や液状化の予測はよく見ておく価値があると思います。特にこれから住宅を購入しようとする場合は必見だと思います。水関係の被害予測は地震や津波だけではなく、台風や豪雨の際も非常に重要の情報になるからです。

これだけでも「住宅周辺のどこが危険か」「寸断されそうな道はどこか」など、様々な情報を得る事が出来ます。

更に、その土地々の特有の災害被害についても公開されています。例えば、それこそ「富士山ハザードマップ」です。

火山灰はどの範囲にどの程度積もるか、風向きによってどうなるか、溶岩流、火砕流、噴石、火山弾、様々なシミュレーション結果が公開れています。

その他で言うと、例えば「原子力発電所」です。

”最悪の事態”を想定した放射能の飛散シミュレーションが公開されています。(これは電力会社のHPだったかもしれません)

古地図はハザードマップ?

それから次に踏まえておく必要があると思うのが「古地図」です。

後述しますが、こちらはおおよそ気軽にパッと調べられるものではありませんが、知識としては非常に価値があると思います。

古地図とはその名の通り、江戸時代とかの古い時代の地図です。古地図にはその場所がかつてどのような場所だったか記されています。川だったのか、池だったのか、湿地だったのか、山だったのか、谷だったのか。

現在では大規模に造成されてその面影はなくなってしまっていたとしても、古地図の地形と照らし合わせてみるとおおよそわかると思います。かつて水害がどのようにあったかなど、昔の人は偉いので、まるで現在のハザードマップのように結構詳しく残っています。

自治体によっては郷土資料をアーカイブとしてweb上で公開しているところもあるようですが、多くは図書館や郷土資料館などにあるので調べるのはちょっと苦労しますよね。

こういった先人の知恵や軌跡を誰でも手軽に閲覧できるようになることを期待したいと思います。

自分が無傷なら他人を救える!

ここまで、自分自身の周辺に起こり得る影響について、ハザードマップを活用して情報を得る点についてお話しました。

次に話したいのは、自分自身を守る事についてです。

巨大災害発生時、まずは自分自身、家族が無傷で助かり、ある程度の自律した避難生活が行える事が理想です。なぜなら、そうすればその分のリソースを他者に回せることになりますし、自分が他人を助ける事もできます。

その為に簡単な事ですが、重要な事を書きます。これは私自身も実践している事になります。

・第一にいつでも持ち出せる避難バッグを常備
・高い場所に物を置かない、家具を固定する
・飲料水、缶詰などの食料備蓄
・ポリタンクに水道水を貯水
・テント、マットレス、カセットコンロやボンベの常備
・手回しラジオ、ランタン、マッチ、ライター、電池を常備
・そして大事なのはベッド脇には長靴と笛を常備

この「ベッド脇には長靴と笛を常備」について、これには大事な理由があります。

まず長靴ですが、足を怪我をする事が避難において最大の障害になるからです。足を怪我する事で逃げ遅れ、二次被害に遭い命を落とすと言ったケースが大地震の際にはよく見られるらしいです。

笛はもし大怪我をして体力がない場合でも息を出すだけで大きな音を出せる為、生存確認に役立つと言われます。(映画タイタニックのローズもこれで助かりましたしね)

このような物品を常備し、賞味期限や使用期限の前に食べ、あるいは使い、うまく循環させて行くと良いと思います。最近では「フェーズフリー」なんて言うらしいです。

最大の問題は断水?

最後に、その後の避難生活時の問題点について触れてみたいと思います。

やはり災害時、個人レベルで最大の影響と言ったら「断水」(とトイレ問題)これに尽きるのではないでしょうか?

停電ももちろんつらいと思います。しかし地中に埋設されている上下水道管に比べ、地上に張り巡らされている電線の方が比較的早く復旧していることが過去の実績からも読み取れます。

加えて、食料不足も過酷さでは相当だと思いますが、実際、ある程度は各家庭何かしらの食べ物があると思いますし、自治体も乾パンなどの食料を備えています。

しかし、水に関しては配管が破損した時点で終了ですし、上記の通り埋設しているので原因箇所の特定と復旧が困難です。もちろんトイレも同様です。

したがって緊急自の「水」の確保は死活問題だと思います。

井戸は大丈夫か?

そこで注目すべきインフラが、ズバリ「井戸」です。

大都市部はわかりませんが、私が暮らす地方では昔からある古い家の庭には井戸がまだ残っています。事実、私の実家にもいまだに井戸があります。

実は、このような各家庭の井戸を災害時の生活用水として活用する試みがあるようです。

「災害時生活用水協力井戸」の名の元に、所有者が市に対し、井戸の所有と協力の意向を届け出る事で、「災害時生活用水協力指定井戸」となります。

これらを災害時に情報公開する事としており、その際、生活用水を提供することになっているようです。そのため、実家の井戸も何年かに一度、市から水質調査が行われているようです。

実際の大災害時、果たして地下水脈が無事でいられるかはさておき、このような取り組みがあることを広く共有するべきだと思います。

巨大災害時の「水問題」に関して、このような取り組みが多くの方々の助けになる事を期待したいと思います。

今日は、自分や家族の生命財産を守るための「備え」について書いてみました。

続く・・・

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