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#011 Twitterで話題?!『令和ちゃん』から読み解く今も昔も変わらない日本人の自然観


こんにちは、GreenLushです。

突然ですが、皆さんは『令和ちゃん』をご存知でしょうか?

『令和ちゃん』とは今の元号『令和』を擬人化したネット上、あるいはSNS上のキャラクターです。

様々な物や現象の擬人化が大好きな我々日本人ですが、この『令和ちゃん』も改元発表当時からさっそく様々な画像がSNS上に投稿されていました。

 ■ニコニコ大百科(仮)
https://dic.nicovideo.jp/a/%E4%BB%A4%E5%92%8C%E3%81%A1%E3%82%83%E3%82%93


そして、昨今の様々な気象現象に対して『これは令和ちゃんのせいだ!』としたツイートが多数投稿されるようになり、度々Twitterのトレンドを賑わしています。

例えば、今年2022年6月下旬、関東甲信地方を中心に列島各所で梅雨にもかかわらず連日の猛暑に見舞われました。そしてついに6月27日、気象庁が勢い余って梅雨明け宣言をしてしまいました。

これに対して下記のようなツイートがトレンド入りしていました。

 ・令和ちゃん、温度調節機壊さんで?
 ・新人だから気温管理がまだヘタ
 ・そうは言ってももう4年目なんだからいい加減仕事覚えてほしい・・・
 ・平成さんからちゃんと引き継いでないから平成さんが悪い!
  令和ちゃんのせいではない!
 等々・・


更に言うと、ここ一週間程度は戻り梅雨の影響で各地で大雨が続いていますが、これについても『令和ちゃんのせいだ!』的なツイートが散見されてます。


■最近の『令和ちゃん』関連のツイート
https://twitter.com/search?q=%23%E4%BB%A4%E5%92%8C%E3%81%A1%E3%82%83%E3%82%93


ちなみに、近頃の『令和ちゃん』は令和4年にちなんで『4歳児』であったり『小学4年生』であったり『社会人4年目』であったりと、イメージは様々ですが、

 ・『自我が目覚めた4歳児』
 ・『リトルギャング世代の小4』
 ・『一通り仕事を覚えた(つもりの)社会人4年目』

いずれも『4年』という絶妙な年代設定から徐々にその人格も共通化され、一層様々ないじられ方(?)をされています。


つくずく、日本人の想像力、ユーモア、感受性というのものが独特であると感じます。『妖怪』等の描写によく表れていますが、我々日本人は『見えない存在』『恐怖心』等をあえて描写して笑いに変える、あるいは風刺する、
といった感性を持ち合わせています。

自然災害や気象現象等に対しても同様であり、人間の力の範囲外の存在に対する『ある種どうしようもない事』に対するユーモアやセンス、逆に皮肉を込めて揶揄する、と言った感性がズバ抜けて高いと言えます。


そして、それは今も昔も変わらないという点に驚きます。


例えば、同じような目線で江戸時代を見てみると、特に地震に関する民衆の絶妙な心情の描写が当時の瓦版から見て取れます。

江戸時代は地震の原因、あるいはその象徴として『鯰』が描かれる事が多かったというのは皆さんもご存知の通りだと思います。
※実際には地震=鯰のイメージは江戸時代中期頃に確立されたようで、それ以前は『地中に巣くう龍』が原因と信じられていたようです。

今も昔もこの列島には地震が多いわけですが、『地震は鯰の気まぐれによって引き起こされるものであり、どうしようもできない』という民衆のあっけらかんとした気持ちと、その一方で、どうしようもできないイライラを『鯰』というキャラクターにぶつけて鬱憤を晴らすという様子が当時の瓦版から見て取れます。


例えば、下の瓦版は地震を引き起こした鯰を庶民が懲らしめる、と言った内容ですね。※大工が鯰をかばっている描写に注目!!

太平の御恩沢に


次のこれも面白いのは、地震による復興景気で財を成し、鯰を崇める大工、医者、金貸し等の災害利得者(と言ったら申し訳ないですが)と貯め込んだ財を放出せざるを得なかった金持ちとのせめぎ合いを皮肉る瓦版なども見られ、当時の方々の感性の高さ、センスの良さが伺えます・・・

持丸たからの出船


なんだか、驚くほど今も昔も変わってないと思いませんか?
やってる事はネット掲示板と瓦版の違いだけです。

このような豊かな感受性が江戸から現在まで脈々と受け継がれてきたのだと思うと、やはり私はどうしても日本人は昔からずっと日本人なんだなと感慨深く思ってしまうのです。

ではなぜ我々は過去から現在に至るまで、このような感受性を持ち続けているのでしょうか?

自然は自然としてありのまま受け入れる、時には猛威を振るってくるがそれはそれで仕方がない、このような自然観のルーツはどこにあるのでしょうか?

次回はその疑問に迫ってみたいと思います。

今日はここまでです。
最後までお読み下さりありがとうございました。

続く・・・


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