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僕が旅に出る理由~ハイウェイ②~

浪人時代は今思い返しても非常にきつく、絶望の只中でした。
世界の深淵に立たされ、人生が詰んでしまった。そう感じていました。

そんな中でもなんとか勉強を続け、「くるり」を貪るように聞き続けました。
あの時自分に降り注いでくれた「くるり」というバンドが紡ぐ音楽が、当時の自分の空虚な部分にピースとしてハマってくれ、結果として前を向く力を与えてくれたからです。
おかげで、まずは越えなければいけない受験という壁に立ち向かう勇気を、もう一度もらうことができました。

そして不思議なことに、漫然とみんなが目指すからこの大学に行きたい、この大学に行けば羨望のまなざしを浴びることができる、そんなことばかり考えて志望大学を決めていた自分の考えすら変わってきたのです。

浪人生活がスタートしたものの、相変わらず偏差値という物差しを頼りに勉強を続ける日々。
その背景には幸か不幸か、都内ではそこそこの進学校に通っていたのも理由の一つでした。

思えば同級生たちは非常に優秀で、当然のように現役で医学部や名だたる大学へ進学していました。

そして愚かな自分はろくに勉強もしないくせに、その中にいる自分も勝手に優秀な人間だと勘違いして、到底手が届かないところばかりを見ていたのでした。

そんな自分の見のほども知らず、勝手にギャップにもがいて苦しんでいただけだ、と気づいたのは、恥ずかしながら浪人してからだったというわけです。
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