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テレビに出たけど、どうしても伝えたいこと

(このnoteはBS-TBSのとある番組を受けての記事です。まだ御覧になっていない方は、ご覧になってからお読みいただけるとスムーズです。)

代表の中井です。
先日、BS-TBSの「噂の!東京マガジン」にて取材頂きました。
当初は10分程度のVTRの予定だったそうですが、だいぶ面白がって頂き、結果的に1時間番組のほとんどを使って弊社を取り上げて頂きました。

それ自体、すごくありがたいことだし、実際、弊社員のキラキラした笑顔とまっすぐな思いをストレートに伝えて頂いて、僕も胸にくるものがありました。

噂のあの人

ただ、正直、イイ働き方とかイイドローンがあるからとか、そんなんだけで続けられる仕事じゃない。仕事環境はめちゃくちゃ過酷だし、弊社メンバーの日々の努力の賜物です。そのことを伝えたいと思い、書いていきます。

テレビに出た現場は国有林なのですが、基本的に個人の所有林よりも奥の方にあります。ここも鹿沼市の奥の方にありまして、鹿沼市外から1時間弱ほどかかります。面積はだいたい13haほどありまして、大体東京ドーム3個分くらいです。斜面になっているので、斜面の面積はもっとあります。

創業間もない僕らのようなベンチャーは、経験年数も少ないため入札資格のランクも低いため、なかなか入札自体にも参加できないのですが、近年、人手不足で入札参加がないケースも増えているようで、そのおかげ?もあって僕らにもチャンスを頂けた現場でした。こんな大きな現場は僕らにとっても初体験。前期の1年の売上を超えるレベルの大型受注でした。

でも、事務所からは高速使っても2時間弱かかるような現場。工期4ヶ月。植林だけでも24,000本あります。さらに一本ずつネットをかけて杭をうっていきます。資材費だけで2000万くらいする。正直、入札するかはかなり迷いました。というか、どちらかというと無理じゃないかと思っていたので、マネージャー陣と何回も相談する中で、さすがに無理じゃない?と僕は連呼してました。でも、最終的には現場をまとめている部長が軽やかに「今の青葉組ならできるよ。やろうぜ!」と言って取りに行った現場でした。

通常多くは春に植林しますが、時々秋に植林したりもします。この現場は、秋植えです。秋植えで一番きついのは、植林をする前の「地ごしらえ」という作業を夏の日照りの下でやらなければいけないことです。これは鎌(死神が持っているやつ)やチェンソーなんかをつかって、植林ができるように枝葉を片付けていくのですが、これを夏の日差しの中でしかも日陰もない中でやるのはめちゃくちゃきつい。

地ごしらえの作業

今年の夏は本当に暑かったですが、あの日照りの中、造林作業をしていた全ての造林マン&ウーマンに最大限の賛辞を送りたい。あなたは生ける伝説です。

もちろん、うちは6時間労働、夏は5時から始めて11時には仕事は終わりです。実働は4.5時間くらいになるようにしています。がしかし、そんな小細工でどうにかなるような暑さではもはやないですよね。

しかも、片道2時間弱。家は午前3時に出て、作業後片づけて早くても14時着。通勤時間入れたら11時間は拘束されていますし、通勤は自家用車なので自分で運転です。もちろん、希望者には鹿沼市内のホテルに泊まってもらってますが、それでも家族がいたりプライベートの事情で家に帰らないといけない、帰りたい社員もいます。

働き方を工夫しているといえど、これがベンチャーの現実です。肉体負荷が高く全員めっちゃハードワーク。

働き方は確かに魅力の一つかもしれないけど、魅力的な働き方だけでは続けられない。もちろん、入社のきっかけはそうだったかもしれないけど、それだけでずっと続けられるような生易しい仕事でもないです。

では、なぜみんなそんな仕事を頑張っているのか。最近弊社メンバーをみて、そこに「自分の成長の実感」があるからだ、と感じています。技術はもちろん、人間的な成長。ときに、隣でみていてドギマギするほど、相手の心の内に踏み込んだり、強い言葉が飛び交います。とても濃度の濃い関係性が現場にあります。
その結果、この1年だけでも、造林技術はもちろん、見違えるように顔つきが変わったり、発する言葉やまとっている空気が変わったメンバーが何人もいます。

テレビに出ていたうちのメンバーのきらきらした表情は、そうしたひたむきな努力の結果であって、それは「良い働き方」とか「良い設備」「良い福利厚生」とかよりももっと奥底にある「会社の風土」にあると思います。

そして、その風土は育成の中心となっているマネージャーを中心としながら、現場にいるメンバー一人ひとりが仲間と共につくりあげてきたもの。僕はずっと横で見てきただけです。だから、なんか、、働き方改革とかだけでうまくいっているわけでは全然ないんです。単純に僕が仲間に恵まれているだけなんです。

決して、楽して稼げる仕事ではないですし、むしろ現状は、大変できつくて儲からない仕事です。それでも文句ひとつ言わず、ひたむきに頑張り続ける栃木・新潟の全メンバーを深く深くリスペクトしてます。本当に本当にみんなありがとう。そして、なかなか報いることができなくてごめんなさい。あと、時々偉そうにしてごめんなさい。

どんなに暑くても過酷でも、うちはみんな造林、森づくりが大好きです。だからこそ、僕はその気持ちにメンバーの頑張りに必ず報いていきたい。この仕事に誇りをもてるようにしたい。現場がちゃんと大事にされて、そして50年、100年後に最高に良い山が残るように、がんばろう。

もうすぐ国有林の作業も終わります。

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