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カフェサークル「cLuV」での思い出③

ここまでcLuVの活動にかける想いを重点的にお話してきました。今回は、活動の中でも大きなイベントだった「大学祭」についてお話いたします。

初出店、大成功

私が大学3年時の初夏に設立されたcLuVですが、活動を通じて部員のなかでコーヒーに対するモチベーションが高まってきました。そこで当初は参加する気すらなかった大学祭に、サークルとしてカフェを出店することにしました。他人に飲んでもらうことによって、美味しいコーヒーを提供して喜んでいただく、そういう体験をみんなにしてほしかったからです。もちろん、私としてもコーヒーで人様から金銭を頂戴するのは初めてでしたので、自分のコーヒーが世間的にどんな評価を受けるのか、それを測りたかったというのもありました。
そこからはなかなか慌ただしくなったのを覚えています。大学祭の実行委員会に出店申請を提出するのはもちろん、委員会の会議に参加するメンバーの選定、会議での連絡事項の共有と検討、メニュー作成、展示品の準備、etc...十分な時間があるとはいえない状況の中で、また前期末試験や夏季休暇というタイミングも重なり、満足なロープレも行うことができませんでした。
何より大変だったのは、焙煎作業でした。当時の私の焙煎機では、焙煎豆を100g/1回しか製造できなかったため、どうしても回数が必要になります。3銘柄準備するというところもあり、最終的には大学祭前日に6回焙煎することになりました。もちろん生豆のハンドソーティングもあるため、前日は夕方から夜にかけて作業しました。

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そして迎えた大学祭一日目。コーヒー3銘柄とデザート3品を準備して、手探りながら開店しました。様々な抽出方法も準備し、学祭価格で提供するとはいえ、正直そこまで売り上げが出るとは思っておりませんでした。しかし、蓋を開ければ大盛況、数字でいえば、学祭二日間を通して売上高55,200円と、想像を絶する反響となりました。一日目の前日に焙煎したコーヒーは全て完売、慌てて二日目に備えて再び6回焙煎したのも、いい思い出です(笑)
二日目の閉店後、学祭全体を通しての反省会を行いました。お客様への説明不足、抽出ができる部員不足、豆挽きの手間など、様々な課題も出てきましたが、どれもこれから頑張ろうねという解決策で収まるもので、それよりも、お客様から「美味しい」と言っていただけたことに部員が喜びを見出していたことが、とても嬉しかったですね。

翌年も大成功、浮き彫りになる課題

いろいろと飛びますが、翌年の大学祭です。もちろん出店しましたが、ここでは前年の学祭時に出た課題が、更に浮き彫りになった回でした。
まず、部員の殆どが2、3年生となり、他に所属しているサークルでも重要な立場であるようになったため、cLuVの活動に注力できなくなったことです。それでもみんな、限られた時間の中でコーヒーの技術や知識を習得してくれましたが、学祭当日でも頻繁に中座するなどして、結局抽出できる部員が不足することになってしまいました。
数字だけ見れば、学祭二日間の合計売上高は69,800円とさらに向上し、お客様の中には前年の学祭時のことを覚えてくださっていたりもして、またも大成功といえる結果ではありました。ただ、cLuVの持続可能性も含めて、いろいろな課題が浮き彫りになり、嬉しい反面悩ましい学祭になりました。

組織の持続可能性と事業承継

二度目の学祭時点ですでに大学院進学を決めていた私ではありますが、cLuVには末永く継続する組織になって欲しいと考え、4年次をもって引退することにして次期代表を選出しました。もちろん他の部員は自家焙煎機を持っていないので、私が持っている焙煎機を継承していく、市内の自家焙煎店と連携するなど、様々な手法で活動することを提案したりもしました。
しかし部員が他サークルにも所属していること、部員間のモチベーションのギャップ、その他にも様々な要因が絡み、結局は私が代表の座に返り咲き、大学院を修了するまでのサークルにすることになりました。この経験もあり、私は組織の持続可能性と事業承継ということについて、大きな学びを得ることができました。

学祭とその後の承継問題と、私はcLuVの活動を通じて、コーヒーだけではなくビジネスについても経験を踏むことができました。

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