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iPadが「大きいiPhone」と認識されていた時代を思い出して

今でこそ、iPadもキーボードやハブといった周辺機器が充実し、ビジネスライクに使用することができるようになりました。職種によってはポストノートパソコンとして十分に機能するようになりましたが、私の在学中、特に2011年頃は、「大きいiPhone」として認識されていた(少なくとも私はしていました(笑))記憶があります。

「え、電話できないの?」

私は高校生の頃から、今でいう所謂ガジェットオタクでした。若気の至りといいますか、今考えれば恥ずかしいお話なのですが、さほど興味がない友人にもUSBの規格についてうるさく語ったりしておりました。
それの是非はさておき、大学入学後も「ガジェットにやたら詳しい(うるさい)」といった印象を周りに持たれていました。そんな中でスマートフォンやタブレットといったガジェットが一般にも出回ると、いろんな人から質問されるようになりました(やたら嬉しそうな顔をするとからかわれていたのは内緒ですw)。

私が通う大学の生協でも、iPadの取り扱いがありました。そのため、友人と生協に行くと、結構な確率でiPadの話題になったのですが、よく知らない人から高頻度で聞かれたのは「iPadとiPhoneってサイズ以外に何が違うの?」ということです。
正直、当時は明確に説明するのは困難でした。ガジェットのポジション的にiPadは画面が大きいiPhoneと言っても過言ではなかったからです。むしろ、当時はLINEも今ほどは主流ではなく、音声通話もSkypeでなければ基本的にキャリア回線による「電話」が当たり前だったので、「画面が大きくて電話ができないiPhone」とまとめてしまえたのです。
こんな説明をすると「え、電話できないの?じゃあ何が便利なの?」という言葉が続きました。当時はYouTubeやKindleも今ほど日常的なツールではなかったため、人によってはデジタルフォトフレームと同等程度の価値しか見出だせないほどでした。ニコニコ動画をみるという人は多かったのですが、キーボードの方がコメント入力がしやすいからPCでみてるという人が多かった印象です。

「iPadってみんな何に使っている?」というコンテンツ

上述のような「iPad=画面が大きいiPhone」というロジックは、「iPhoneで事足りるからiPadは必要ない」という層を生み出しました。これは私の体感ですが、当時のブログやコラム記事でも「iPadの使い道について」というコンテンツが多かったように記憶しています(そんな記事ばっかり読んでいたからかもしれませんが(笑))。それほどまでに、iPadをどんなシーンで使うべきなのか、わかりにくかった時代でした。

iPadの使用遍歴に想いを馳せてみる

私が人生で最初に購入したiPadは、2014年4月に購入した「iPad mini 2」でした(ちなみに今も当店のレジ端末として活躍していますw)。当時、私が使用していたPCはDELLの15インチノートPCでしたが、持ち運ぶには少し重くて、また起動もモッタリしてきていたため、大学院の講義やゼミでプレゼン発表をするときなどにとても不便でした。そこでiPad miniに発表資料のデータを予め入れておき、紙の配布資料とプレゼンファイルで発表をすることにしました。
こうしてプレゼン発表の機動力は向上しました。しかし、やはりiPad miniの画面サイズでは、資料の編集をするには狭すぎました。外付キーボードを試したりもしましたが、限界がありました。そこで、キャリア契約で2台持ちをすることにし、2015年5月に「iPad Air 2」を購入しました。
当時「神タブレット」として話題だった「iPad Air 2」、外付キーボードとセットで使用しておりましたが、かなり作業効率が向上しました。当時、研究室でもiMacを使用しておりましたので、クラウド共有によってかなり便利に運用していました。
長らく、状況によってサイズを使い分ける形でこの2台を愛用しておりました。大学院を卒業した後も、外でブラウジングする際は基本的にiPadを使用しておりましたが、当時はまたWindowsとの同期が弱く、会社のファイルをいじるには物足りなかったので、大学院時代ほどにはiPadを使っていませんでした。作業をしないとなると、再び私の中でiPad=画面が大きいiPhoneという認識に格下げされていく感覚もありました。
そんな中、新卒で入社したコーヒー会社を退職し、北海道十勝に戻ってから、2017年9月に、3台目のiPadとなる「iPadPro 10.5インチ」を購入しました。当時はApple PencilがiPadProにしか対応しておらず、私自身もタブレットに手書き機能を求める頻度が増えたためです(契約などの書類を電子で交わす機会が増えたのが主な理由です)。また、様々なアプリにおいてiPadとWindowsの同期がやりやすくなったという背景もあります。この頃から、iPadは画面が大きなiPhoneではなく、別カテゴリのガジェットとして認識されるようになった記憶があります。
そして2020年3月、事業用に「iPadPro 11インチ 2nd」を購入し、Illustratorやプロクリエイトによるデザインを始め、いよいよポストPCとして活用するようになりました。iPhoneとはまったく勝手が異なります。
こうやってみると、わずか9年足らずですが、ガジェットのあり方は大きく変わってきておりますね。ハード面、ソフト面それぞれの要因が複雑に絡んでおりますが、見返してみると面白いですね。一冊の本が書けそうです(笑)

「大きいiPhone」から「ポストPC」へ

ちょっと横道にそれてしまいました(笑)
ともあれ、iPadは「大きいiPhone」という認識から、「ポストPC」へその地位を高めました(?)。私個人としては、むしろノートPCが「起動が重たいiPad」という印象にすらなりつつあります。
ガジェットのポジションは日々移り変わり、技術もいまだ日進月歩の勢いです。私も仕事でたくさんお世話になりますので、浦島太郎にならないよう、これからも注目し続けたいと思います。

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