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モーツァルトのレクイエム

 今年の共通テストの現代文説明的文章に「モーツァルトのレクイエム」が出題されました。考えたこともありませんでした。モーツァルトのレクイエムが教会で典礼に使われる音楽だなんて……。

 大学生の頃、社会人の合唱団に所属していたので、よくステージで歌っていた曲でした。たぶん、第九の次くらいによく歌われる曲だったのではないでしょうか。みんな何度も歌っているから、あまり練習しないまま本番に突入するというスタイルで、入ったばかりの頃は驚きました。(そのうちに慣れました。)

 ある時、NHKの名曲アルバムでこの曲を歌うことになり、オーケストラと一緒にスタジオで録画することになりました。合唱練習の時は合唱指揮者が指揮するので、オーケストラの指揮者と合わせるのは本番前のこの時だけです。

 指揮者の方が「ここは抱きしめるように歌ってください。」とゼスチャーつきでおっしゃったのです。中年のおじさんが、夢見るような顔つきで、誰かを抱きしめるようなしぐさをされたので、そのギャップがおかしくて、不謹慎にも笑いが止まらなくなり、笑いをこらえて歌いました。今の私なら、絶対に笑わないと思う……。

 大学生だったからですかね。なぜ、あんなにおかしかったんだろう。共通テストがきっかけで、忘れていた昔の思い出がよみがえってきました。


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