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5/12 茶カブキ、後炭-合同稽古

他社中の方との合同稽古。

【メニュー】
①後炭
②茶カブキ
③薄茶

①、②は初めての稽古。
後炭は一般講習会の題目。
茶カブキは先日の利休で拝見し、「いつかやってみたい」と口走ったところ、先生が早速の実施を提案してくださった。

①後炭  

茶事の流れの中に出てくるステップなので、あまり単体で稽古することがない。

タイミングとしては濃茶の後、薄茶を出す前。

香合を灰匙の上に置いて出てくるところから違う。
灰を撒いたら、香を入れる。
※初炭では、灰を撒いて炭を入れたら。

濃茶までの時間で炭がどのくらい使われているかを見て炭をつぐので、どのくらい入れるのか明確な決まりはないが、初炭と同じ入れ方はしない。 
(だから、臨機応変に。それが1番難しい。)

最後に水注ぎやかんを持ち出して、釜に水を適量注ぎ足す。

この時、茶巾を持ち出しているので最後に釜の蓋周り、肩周りを向こうから右左二字で拭く。この時に釜に水が滲むのが見える程度に茶巾が濡れていると良い。

②茶カブキ

利休忌で拝見してからやってみたくてうずうずしていた。ただ、やるからには心の準備と身体の準備が必要。

抹茶の違いは、味はもちろん、色や香りにも出てくる。感覚を研ぎ澄ませて2、3口の茶に向き合うのは想像以上に難しいことだ。

そして、1番肝なのは亭主が、5服を同じ加減で練ることができるか、かもしれない、、。

(記録)

  1. 最初にいただくのは2種のお茶。
    「上林」/ 「竹田」
    *かつて有名だったお詰めのようです。
    上林は現在も健在ですね。
    味わった印象は、

    「上林」→美味しい苦味
    「竹田」→甘みがある(好み)

    2種の味がはっきり違うことはよくわかった。

  2. 次に3種のお茶をいただく(本茶)。亭主もどれがどのお茶かはわからない。シャッフルされており、棗の蓋の裏に何れの茶か印がある。「客」は最初にいただいたどちらでもないお茶。

    「上林」/ 「竹田」/ 「客」

    一服目が客であったものなら、とても難しい。

  3. 本茶の一服目を飲み終えると、いよいよ投票タイムが始まる。
    折据(投票box)に、一服目のお茶から3種のうちの何れかを書いた紙片(名乗り紙)を小さく畳んで入れていく。

  4. 全員が入れ終わるとお詰めの方が、執筆の方に折据を持っていく。執筆は折据をひっくり返して、回答を一つ一つ開いて、全員のお名前の上に並べる。そして、回答を記していく。

    ここで、一服目の皆さんの回答が筆の運びからわかるのですが、、、、

    何と私以外全員が「客」に投票。
    私だけ「上林」を選択。

    私は一服目の苦さに賭けたのですが、、この投票状況に内心ドキドキが止まりませんでした。

  5. さて、2服目へと続きます。
    2服目をいただいて、私は心の中で少し
    ニヤリとしました。
    この苦味、これは「客」だ!!と確信しました。 
    2服目をいただき回答を選ぶと、自ずと3服目の回答が残ります。

  6. 二、三と書かれた折据に回答を入れて、お詰めがあわせて執筆に届ける。それぞれ回答が開かれていく。

    ここで、恐れていたことが起こります。

    私の回答は…①上林②客③竹田
    他4名の回答は…①客②竹田③上林

    こんなことって、、あるんだ、、と
    格付けの番組でお部屋で1人で待っている方の気持ちがわかった瞬間でした。

  7. 亭主が仕舞いはじめ(お仕舞いの挨拶は無し)、ひと通り片付きましたら、最後に5つの小棗が載った盆を執筆に届けます。
    右から(練った順番に)蓋を裏返して行きます。

    回答は…

    ①上林②客③竹田 でした!

    みんな、1つは正解でした。
    私はホッと胸を撫で下ろしました、、。
    危うく自分の舌を疑うところでした。

    何はともあれ、茶カブキは面白かったです。座る場所によっても、役割によっても、見え方が感じ方が違って来るでしょうね、、。

③薄茶

薄茶点前では、来る茶会に向けて使用予定の道具組でのお稽古。

軸は牧童騎牛。

炉縁は竹林。釜は透木釜。曳舟の風炉先。
佐久間勝山の水指?
永楽の茶碗。

柄杓の持ち方のバランスで色々と議論。
普段置き炉で稽古しているので感覚が少し違う。

☆さいごに

牧童騎牛は、真の自己を探す旅を示した十牛図より。
6番目、騎牛帰家にあたる。  

牛との戦いに克ち、牛を手懐けて、その背に乗る。それは不可能に思えたことに打ち克ち、悟りを開いて世に戻っていく様である。

お茶をしていると無心になる瞬間があって、
今の自分を俯瞰して捉えることがある。

そんな時、私は随分と感覚優位に生きるようになってしまったものだと痛感する。
何かを考える、疑問に思う、突き詰める、、そんな自分がどんどん失われているような気がするのだ。

安易な衝撃に、簡単な感動に身を委ねてしまっている、、、真の自己を探し直したいものです。

合同稽古は、普段とは違う環境に緊張しましたが、迎えてくださった社中の皆さんのお心遣いと優しさで、充実した時間になりました。

またこのような機会があることを願って、日々の生活に戻ります。

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