光の遅さについて
30万km/s
この数字を見て私は困った。非常に想像しにくいからだ。光は地球を1秒で7週半回れるそうだ。たったの1秒だ。光はめちゃめちゃ速い。
地球の直径が12,742km。
円周の長さ=直径x3.14=12,742km x 3.14=約40,000km
1秒で7週半なので、円周の長さに7.5をかける
40000km x 7.5(週/s) = 300000km/s = 30万km/s
これがどうしたと言われても困るのだが、スピードの感覚を掴みたいのだ。
例えば雷は光ってから音が来るまでに差がある。それを使って距離を測れたりするわけだ。やまびこも音のスピードが起こす現象なわけで、子供ですら音の感覚を掴んでいるということだ。どうしたら光の速さの感覚を掴めるだろうか。
384,000km
これは地球から月の距離だ。地球から月に光を飛ばしても約1秒、往復なら約2秒しかかからない。月に鏡を置いて鏡面を地球に向け、地球から光を飛ばしたら約2秒後に帰ってくるはずだ。たったの2秒だが、それが出来ればやまびこのような現象が光でも体感できる。もしかすると大気による屈折とか、重力の関係で上手くいかないかもしれないが。
金星はどうだろうか。今の時期なら早朝に明るく輝いているが、他の星々と同じで点にしか見えない。月なら焦点を合わせ光を当てられる気もするが、金星は流石に無理かもしれない。ちなみに地球から金星までは8光分であるという。
300000km/s x 8光分 x 60秒/分 = 144,000,000km
なんとも合っているのか分からなくなる、自信のなくなる数字である。
144,000,000kmを光のスピードで割ると
144,000,000km / 300,000km/s = 480s
となる。480秒 = 8分 だ。光を送ると往復で16分で光の”やまびこ”が帰ってくる。いちいち8分も待つのは多少しんどいが、できない数字ではないだろう。やはり問題はどうやって正確に光を金星まで届けて、往復させるかだ。16分の間に地球も金星も公転し自転しているのだ。ちなみに金星は地球とは逆に自転しているらしい。
しかし今の時点で私たちは光のスピードで移動することはできない。ちなみに光のスピードで移動すると質量が半端なく大きくなるとか、時間の進みが限りなく遅くなるとか、私には理解し難い状況になるようです。
そんな理解し難い光のスピード光から少し離れて考えてみよう。とりあえず宇宙に行ける乗り物といえばロケットである。ロケットで太陽系の惑星に行こうと思うと下記のような時間がかかる。
金星=48日
火星=約八ヶ月
木星=約一年半
土星=約七年
片道にかかる時間だ。光の速さで移動できれば金星まで8分で着くが、今のロケットであれば48日もかかる。土星に行くには普通のロケットでは辛いという事が分かるだろう。往復したらそれだけで人生の1/6ほどを費やしそうだ。太陽系を旅しようとするだけで、どれだけの時間がかかるのか。
この動画を見れば宇宙がどれだけ広いかが体験できる。そして宇宙の広さが改めて分からなくなる。
宇宙の広さを考えてみよう。宇宙の半径が453億光年という、またしても人の頭では理解し辛い数字となっている。光の速さで何百億年かかるというのだ。今の技術で宇宙旅行など到底どうにもならない。
地球に住んでいれば光のスピードは感知できないし、それ以上を知る必要も無い。しかし一度地球から飛び出せば、私たちのスピードは光の速さで縛り付けられることとなる。光のスピードは視点によっては遅いとも言えるだろう。
だからこそ私たちはワームホールを使うことや、サイボーグになり長い距離を移動する術、自分のコピーを生み出すテレポーテーションなどの移動手段を今でも探し続けている(理論としてはもう出来るとか、出来ないとか)。そんな技術を使い、広い宇宙を旅してみたいというのはおかしな話だろうか?
かつてヨーロッパとアフリカの間にある海が『世界』の海だった。そこから西に飛び出し、大西洋に出たものなら帰ってこれないと言われていた。多くの挑戦、冒険と犠牲の上に現在の世界地図があるのだ。
私は挑戦し続け、冒険して、いつか宇宙地図を作ってみたいものだ。
最後にこの動画を見て光の速度を体感してみてください。そして光のスピードに近づくとどうなるのかも考えてみてください。
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