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自己紹介(茶道を始めた訳)

茶道を始めたのは、もう15年くらい前に遡ります。

会社の仕事をこなしながら、独立に興味があった自分は、経営についての勉強会に参加していて、そんないくつかのセミナーでたまたま隣に居合わせたのが大和流茶道の家元、須永有輝子先生でした。

一度お試しで茶道の作法を学びに伺ったのですが、その教えはとても素晴らしく、心の奥深くに触れるものでした。

こんな素晴らしい文化があるのならば是非自分でもお茶を習う中で、新しい気づきを得たい、と思うようになり先生のご自宅のお茶室へ通うようになりました。

何が素晴らしかったのか。。何を茶道の中で感じたのか。。
それは先生の言葉や所作の中にありました。

畳の上で正座で向き合い、まずは礼から始めます。その礼を何気なく行うと先生から「コレッ」と叱られました。「今の礼に心はこもっていましたか?」
それを聞いて、あーなるほど。日々何気なく行う礼もそうなのか、と深々と礼。それでも許してもらえません。何度か繰り返し、不思議がる自分をじっと見つめて、「目の前の相手のこと、相手の幸せをあなたは思ってしましたか?」と聞かれました。

それでハッと気づいたのです。ただ礼をするのではない、その礼には意味があり、相手への気遣い、メッセージがこめられているはず、そしてそれって伝わるものなんだと。。

きっと他の「道」のつく教えはどれもそうだと思うのですが、形とともにその形に込められた意味をしっかりと理解すること、それが実は大切なんだと感じたのです。それに気づかされて、ようやく稽古が始まります。

心を整えて、先生の事を思い、ゆっくりと礼をして相手の動きに合わせて顔を上げる。そこで初めて先生は「よし」と言ってくださいました。

その最初の先生の所作には、自分への思いやりと、それゆえに、大切な事は決して曲げない凛とした美しさを持っているのを感じました。

そこから自分の茶道への心酔は始まっていったのでした。

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