茶道と竹のつながり
これはお茶を入れる茶杓(ちゃしゃく)、そして、これはお茶を点てる茶筅(ちゃせん)、お湯を注ぐ柄杓(ひしゃく)も。。
「どれも竹で出来ているけれど、なぜだかわかる?」
先生は少し微笑みながら話しかけてきた。
竹?手触り??
困った顔の自分に先生はゆっくりと説明を始めた。
「あなた七夕の時にも笹の葉に願いを書いて飾るわよね。あれも竹。
竹は土から天に向かって見上げるように高く育っていくでしょう」
「そうやって人の届かない天に向かって真っ直ぐに伸びていく、その先にあるのが宇宙。昔の人はその先には神様がいると思った。そしてその神様が私たちの願いを叶えてくれると。」
「だから、七夕の願いは笹の葉にくくりつけて天に届けようとするし、神社やお寺の掃除はかならず竹ぼうきが使われる」「竹っていうのはそうやって神様とつながるためにあるの。かぐや姫が竹から生まれたのもそうよね。」
「茶道で竹を使うのは、目の前のお客様の願いが叶いますように、という意味があるのよ。」
先生のお話はいつも不思議と心に響く。そう思って、竹で出来た道具を扱うと、この道具の一つ一つも、この道具を扱う一つ一つの所作も、お茶をお出しするお客様の願いが叶いますように、という深い思いやりに溢れた動作に思えてくる。
道具に心が宿る、というのはこういうところから始まるんだろうな、そう感じる。
あなたの思いは天まで届いていますか。
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