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ハイテンションのスイッチが入ってしまう曲

介護施設での【歌声広場】
秋の歌は比較的静かなさみしい曲が多いので、リズミックなこの曲は貴重な1曲。
ただ、楽しいからゆえ、躁鬱気味の人にはハイテンションのスイッチを入れてしまうこともある。

今日の施設でも、
机をたたき、
足を踏み鳴らし、
スタッフが抑えに走る場面を数年前に経験しているから気をつけていた。

「あっ、いらっしゃる!」その人は よりにもよって私の一番近い席。


ただ様子が違った。
1年振りですものね。
認知症もぐっと進んだようで。。。。
以前のようなスイッチが入ることもなく、、、。気をつけなきゃ、と身構えていたのに、なんかさみしいな。

以前は歌詞カードをめくりながら、こちらの呼びかけに常に返答をしてくださって、どちらかというとにぎやかな方だった。
でも、今回は歌詞カードに目を落とすことなく、斜め右方向に窓を通して見える空へ視線は向かっている。

ひょとして?目が見えなくなった!??

終了後にスタッフに尋ねたところ、ほぼ見えていない、と。
「いつも『夜』だと思っていらっしゃるんですよ」
そうか、、、認知症であることが幸いしているのかも知れないけれど、普通なら視力を失っていくことはかなりの不安でいっぱいになるはず。
こんな風に思えるのは、ご本人にとって幸せなことなのか?
私にはわからない。

ピアノの音が流れてくると、機嫌よく歌っていらっしゃる。
以前のように、矢継ぎ早のおしゃべりは返ってこなくなったが、1曲1曲終わるたびに拍手をしてくださる。

ありがたい。

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