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日々にひそむ地獄


目が覚めると、だいたいいつも似たような朝なのに、夜ベッドに入るときの気持ちは毎日異なる。
似たような朝から似たような日々が始まると思いきや、予期することもできない地獄がひそんでいることがあるから。


日々にひそむ地獄は、「地獄」という単語を使うには大げさすぎるかもしれない。

例えば、いつも通りバイト先に出勤したら、意味が分からないくらい忙しくて、どっと疲れてイライラしてしまうとか。

例えば、最高に気分のいいほろ酔いの夜に、電車で一瞬の痴漢に遭うとか。

例えば、言わなくていいことを言ってしまったと、後から気づくとか。

こういう地獄の中にいるとき、気分は最悪だし、反省ばっかりだし、「もうやってらんないよ」と心の中でぶつくさ言うしか私には能がない。

でも、こういう日々の地獄がひそんでいるから、暮らしがいがあるのかもしれない。
この先まだ長いと信じている人生、いつ、どんな地獄が待ち受けているのか事前には分かり得ないけれど、最悪な気分の中で地獄を愛でる余裕があったらいいな。
「来たな、ランダム発生のハプニングマス!」とか、思えたりしないかな。

せめて、noteに綴って、表現に昇華できるくらいの豊かさとことばを持ち合わせていたい。

明日は、どんな気持ちで眠りにつくのだろう。


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