こぼれ落ちる砂

最近、思い出を振り返る機会があり、それなりに楽しい日々を送ってきたのだなぁと感じた。嫌なこともたくさんあったし、辛い経験もあったけれど、色んな人がよく言うように、都合の悪い事は忘れるようにできている。むしろ、悪い記憶が良い記憶にすり替わっていたり、上塗りされていたりする。幸せなことだと思う。

ただ、そんな中で唯一寂しいなと感じることは、疎遠になったり、何かのきっかけで仲直りできなった友人たちとの関係だ。

いろんな地域を転々としてきたこともあり、物理的な距離で関係が薄れていった人も多い。大概の人とはSNSがあったって、共通の話題がなければ疎遠になってしまう。

そんな彼らとの記憶の断片を記していこうと思う。

どこかの砂絵アーティストが、日常は手からこぼれ落ちる砂と言ってた。ほんとうにそうだと思う。手のひらに、たしかにそこにあったのに、気付かぬうちにするするとこぼれ落ちてしまう。そして積もっていく記憶。そんな一つ一つの砂の粒の感触を思い出す時間は、ちいさなちいさな幸せだと思う。

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