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見上げた冬の空に
届かない想いを描き
キミのアドレスを打ちこむ

淋しいとか
哀しいとか
そう思えた頃が少しだけ懐かしくて
おもわず眼を閉じた

雲ひとつ無い空も
枯葉のない歩道も
触れた瞬間に凍りそうなガラス窓も
感情を失った心には何ひとつ与えてはくれない

キミのために買った細いゴールドのチェーン
送信せず削除したキミへのメッセージ

独り彷徨う凍えそうな街で
くわえた煙草の小さな火だけが
心地よい暖かさを与えた


green

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