-小説- うたたねのこぼれ種【8.栗】
「森下さん、バイト辞めるんだって?」
「はい。今日で最後です。最近、たくさんシフト変わってもらってありがとうございました」
「別に。私は、バイトの他にすることもないからさ」
「お世話になりました」
若葉のバイト先の百円均一ショップのロッカールームで、同じくバイトの土屋茉子(つちやまこ)に声をかけられた。同じくらいの年齢だが、挨拶をするくらいで特に話をすることもなかったから、若葉は少し驚いた。
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