6/26分 第55作 テーマ:カブトムシ

もしもあなたがカブトムシだったら?
これはあなたにとって、嬉しい想像か、悲しい想像か。

おそらく大半の答えが、前者なのだろう。

昆虫界で最も羨望の眼差しを受け、スポットライトを浴び、人間からもピックアップされる。

力も強く、樹液争いでは、クワガタと並んで双璧をなす。

強さは互角なはずなのに、その見栄えの良さで、クワガタムシよりも注目度が高い。

どこからどう見ても、素敵ではないか!

そんなふうに考えている方に問いたい。

あなたは本当に、多くの人から注目され、
それゆえ捕まり、虫かごに入れられるかもしれない運命に、覚悟ができているのか?

素晴らしい実力を持っているのに、他人に捕まり、
自由を奪われてしまう、そんな覚悟ができているのか?

人は言う。「天才になりたい」「天才はいいよな」
本当にそうか?

無責任なことを言うな。
あなたは、ひとりの人間が背負うには重すぎるほどの才能を背負い、世間から注目され、勝手にレッテルを貼られ、イメージという檻の中に閉じ込められる、
そんな人間の姿を想像できるか?
そんな人間に憧れ、そんな人間になりたいと、
本当に思うのか?

人は皆、他人の思いに対し、無遠慮で、無知なのである。

光あるところに影がある。
その影をしっかり見つめられる、
私はそういう人間でありたいと思う。

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