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営業志望向け就活メモ

大学1~2年生のみんなは

 この文章は新3年生向けに書いたものですが、1~2年生の間にやることがあります。
 まず、就活塾に入るか決めましょう。この後に就活塾は高いからお勧めしないと書いておきますが、就活塾の料金体系は「1年利用しようが4年利用しようが料金は同じ」という塾が多く、4年の場合はかなりリーズナブルなうえ、ガクチカづくりにも協力してくれるなどうまみが強いです。就活塾に入るなら大学入学と同時期を勧めます。エージェントを兼ねている悪徳業者もいるので、慎重に決断してください。
 次に、なるべく早く運転免許を取得しましょう。特に東京以外で営業として就職した場合、電車で通勤して、客の所へ車を運転して営業に回るという流れが一般的です。3年からは免許を取得するような暇はありません。
 最後に、ガクチカを作っておこうということです。ガクチカとは、学生時代に最も力を注いだことの略称です。これを人事に話して、こういう風に課題を乗り越えられる人材だぞとアピールするのです。ガクチカには強弱があり、強いほど有利です。3年のインターン時に話せるよう、準備しておくと吉です。

就活の進め方

 就活の関連サービスにエージェントや就活塾などがあります。まず覚えておくべきなのは、エージェントは内定先の企業から報酬金をもらうため、その企業の利益になるよう動きます。エージェントに頼る会社は何らかの事情により募集が少ないため、ブラック企業が多いです。基本的にはエージェントは利用を避けるようにしましょう。

 就活塾に関しては、サービス自体はよいものの価格が高すぎることが多いです。就活支援サークルや社会人の先輩で同様のサービスをやっているところもあるので、そちらの方が良心的です。野良で就活支援をやっている人間も多少はいます。

 基本はゼミやサークルの先輩を頼ることをお勧めします。特に、社会人になった後の方の方が社会をよく理解しています。社会人とプライベートで友達になり、アドバイスをもらうことがお勧めです。

職種選び

 文系ですか?なるほど。
 では営業です。総合職と呼ばれることもありますが、基本的にはジョブローテーションのある営業です。基本的にあなたのスキルでは営業として働くことが大半だと思います。確かにSEも選択可能ですが、派遣される危険性もあり、転職しやすいという意味で営業の方が有利です。一般職は選んでもリストラされるだけです。企画職は極めて狭き門であり、官僚になれるくらい優秀でない限り行けません。
 あなたは労働時間の多くを営業として働く運命にあります。認めましょう。望むか望むまいかにかかわらず、あなたは自分が営業として働く未来しか来ないということを受け入れるほかありません。

就活の始め方

 まず、マイナビとリクナビに登録しましょう。リクナビは保守的な企業や中小企業が多く登録しています。続いてオファーサイト、OfferBoxとビズリーチキャンパスに登録しましょう。大学の関係でビズリーチキャンパスに登録できない方はもともと就活が詰んでいるので心配する必要はありません。

業界の選び方

 どこでもいいから大手で働きたい!という気持ち、よくわかります。ですが、その軸で進めると落ちます。この選び方で就活を進めた場合最悪のシナリオは、大手病になりトップティア戦略で全落ちするというシナリオです。

まずやりたいことから業界を選び、続いて類似の業界を数個選んでシェア順に受けていくことが基本のひな型となります。この際、Openwork、Enライトハウスなどで残業時間を調べ、ブラックそうな会社は除外するとよいでしょう。リストはマイナビやリクナビの「検討リスト」機能を使うと簡単に作れます。

また自身に合う企業類型を選ぶことがミスマッチを避けることにつながります。営業としての就職先の類型としては

メーカー

  • JTC(社風が古臭い会社)が多い

  • 商社はメーカーに逆らえない。イニシアティブをとれる。

  • ニッチトップ企業など、商流を安定化できればホワイト企業になる

  • 部品などでは過当競争が起きるところも

商社

  • メーカーから物を買って、小売店やメーカーに売る。

  • 一部は大手の代理店に過ぎないところもある。

  • 商流をデザインする魅力がある。部品を完成品にする楽しさがある

  • メーカーには逆らえない

無形商材の会社

  • 広告や人材・旅行など、無形商材を考えて売る

  • 差別化が難しく、ブラック化しやすい

  • 企画に携わることもある。

などがあります。また他にも全国転勤の有無なども加味して判断しましょう。なお、食品や鉄道、マスコミといった業界は業界そのものが人気であるため、行ける蓋然性が低いです。こういった業界はいけないことを前提に企業選びを勧めましょう。

ホワイト企業の見つけ方

 まず2つのツールを覚えてください。OpenworkとEnライトハウスです。掲載口コミ数は、実はEnライトハウスの方が上です。残業時間や働き方などはこちらを参考にするとよいでしょう。
 ブラック企業になるのは経営陣がカスだからでホワイト企業になるのは経営陣が優秀だから、とは一概に言えず、むしろ収益率に大きく依存することが多いです。小売店を考えてみましょう。例えば富裕層を相手にする百貨店は収益率が高く、従業員にも多くを還元できます。一方で庶民が相手のスーパーマーケットは価格競争に陥りやすく、ブラック化しやすいのです。
 こういった傾向に即して考えてみたとき、ホワイトな企業はおおよそ以下のような条件を備えています。

BtoB

 企業(あるいは法人)相手にビジネスをしているということです。というか、BtoCの会社は原則としてブラックです。携帯ショップのような訪問した消費者に営業するスタイルですらノルマが苛烈でブラックなので、一般的な店などもってのほかです。ニトリなどは就活生に人気ですが、実は転勤が多く合わない人が多いのです。

ルート営業

 営業には消費者向け新規開拓営業、消費者向けルート営業、法人向け新規開拓営業、法人向けルート営業の主な4類型があります。右に行くごとに楽になっていきます。有り体に言ってしまえば、法人向けルート営業以外よほどの物好きでない限り耐えられるものではありません。広告のテレアポを例にとって考えると、100件アポなしで電話をかけて、1社受注できればいい方という世界です。これは誇張でも何でもありません。2番目に楽な法人向け新規開拓営業でもこれですから、消費者向けはより大変です。激甚なデメリットを無視して余りあるほどのメリットを備えている会社は極めて稀です。よほどの事情がない限り、BtoBのルート営業を選びましょう。

基本は有形商材

 無形商材で他社と差別化するのは「人」でありマンパワーです。こういった人がいれば始められるサービスは差別化しにくく、すぐに価格競争に転落してしまいがちです。そうなると最初にカットされてしまうコストは人件費です。無形商材の業界を中心に就活を進める場合は、業界の中の企業を順に受けるというより、例外的にホワイトな企業を掘り当てていく感覚です。ですが、例外的にホワイト化などという審美眼を就活生ごときが備えているはずありません。このようなアブノーマルな就活を進めていけば、意図せずとも自然に就活は迷走してしまいます。それでも無形の〇〇を売りたいんだ!みたいな決意がなければ有形商材を選ぶのが吉です。有形商材で就活を進めるのであれば、単にEnライトハウスで残業が多そうな企業を除外していくだけで進められます。

新規参入障壁の高さ、競争の低さ

 要は簡単に代替されない企業ということです。例えば信越化学工業は半導体に使われるシリコンウェハーでトップシェアを取っています。もしインテルが半導体をもっと安くしたいと考えて信越化学工業に「シリコンウェハーを安くしてほしいんだけど」と交渉しても、「ん?うちが嫌ならシリコンウェハー作るのやめるよ?」と脅せます。当然シリコンウェハーの供給が止まれば世界でパソコンや半導体は作れなくなってしまうので、インテルは頷くしか出来ないわけです。こういう企業は利益率が高く、リクルートとマイナビのように切磋琢磨して競争せずとも、自然と従業員に還元できます。
このような企業を探すには、リクナビやマイナビで地域を指定して「ニッチトップ」「シェアトップ」と検索するとヒットします。

ベンチャーの段階を脱している

 「ベンチャー」というと若い就活生は魅力的に映るようですが、そもそもベンチャーというのは誉め言葉ではありません。ベンチャーというのはもともと人手が足りず、社員にマルチタスクを要求することが多いです。ベンチャーは参入障壁の低い業界に多く、収益構造が満足に固定できていません。またベンチャーはたとえ安定しだしても急に悪化することも多く、EC首位の楽天が楽天モバイルで大ゴケした事実は記憶に新しいでしょう。ベンチャーは、ホワイトでないことを覚悟して入るところです。

気にしなくていいこと

 今まで多く紹介してきたホワイトアカデミーの動画ですが、一点だけ間違った主張をしています。「大手であればホワイトだ」という主張です。全くの嘘です。大手にもブラック企業は山ほどありますし、中小企業にもホワイト企業は沢山あります。先ほども述べた通り、ブラックとホワイトを分けているのは、”商流”です。例えば、この商流を確立しきれておらず、厳しい競争にさらされているリクルートやパーソルは、ゴリゴリの営業会社(新規開拓営業)として知られています。一方で日本デコラックス株式会社はあまり知られていませんが、オフィス机を造る際はこの会社に声をかける以外にありません。ですからしっかり従業員に還元できます。

 もう一点。給料は気にしなくてよいです。基本給はどの会社もほとんど20万程度ですし、20万未満であれば、受けなければよいのです。給料を理由に応募する企業から除外しては同業他社の志望理由がズレてくるので、20万以上であれば須らく受けていくことをお勧めします。

テクニックの学び方

 ガクチカには強弱があり、この強さによって行ける企業の大体が推測できます。ですが、早慶であれば就職に失敗しない限り、悪い中小企業には行きません。失敗しないように頑張ってください。
 面接やESのテクニックを学ぶ際、傾聴すべき動画とすべきでない動画がありますので、ご紹介します。

ホワイトアカデミー

https://www.youtube.com/watch?v=JonJqLzbbtc&list=PLt6-0uM5D1u5YT63qJn3Jub1X0rvT426m&pp=iAQB

 ホワイトアカデミーのテクニックは、小手先です。だからこそ、就活に適しています。例えば、ひろさんチャンネルの就活の軸の解説動画は、バカ真面目に就活の際重視している共通項を見つけてそれを伝えるよう勧めています。しかし、このように作った就活の軸を離せば、落ちます。
 そもそも、「就活の軸を教えてください」ってバカげた質問だと思いませんか?要は、「どのような条件を備えている会社に限定して探していますか」という質問なのですが、”就活の軸”などという広辞苑にすら載っていない疑似単語を用いて伝わると思っている点でおこがましいです。
 この就活の軸という問いの本質は、「一貫した就職活動ができているか」を試すところにあるのです。ホワイトアカデミーの動画では、業界を選んだ理由→企業を選んだ理由のように、一社一社変えよ、という具体的なテクニックを教えています。

 就活の軸は企業選びの基準なわけですからどの会社を受けようが変わらないはずなのに、「変えよ」と言い切ってしまっているのです。これは本心を隠して用意した答えになるため、質問に対しては確かに不誠実です。しかし、受かります。面接の想定問答を用意する際は、ホワイトアカデミーを参考にすることをお勧めします。

その他のYouTuber

 しかし、ひろさんチャンネルエルトさんなどは、本当に就活が行き詰まったときなどに有益な助言となるでしょう。また、「親を亡くした子ども達の将来を確かなものにするため、生命保険を売る代理店営業になるんだ」のような確固たる夢を持っている人には、Utsuさんの提唱する人生の目的論というアプローチも成功するかもしれません。
 なお、「しゅんダイアリー」は見ない方がマシです。同チャンネルは就活をエンタメだと誤解している連中がマウントするためのチャンネルです。要はアクセス数稼ぎのためにタイトルをセンセーショナルにするアフィカスみたいなものなので、チャンネルごと非表示にした方がよいです。

無い内定で焦っても

 大丈夫です。いくらでもやりようはありますし、最悪塾講師として数年働いても疲れはしますが転職は出来ます。
 大手や大企業の求人が減っても、中小企業にホワイト企業は沢山隠れています。ただし、中小企業でも月日を経るごとに応募を閉じていくので、早めに内定を取っておきましょう。また、東京の企業がなくなっていっても地方の企業もあります。持ち駒が減っていっても焦らず対応できるように、大手病にならずに進んで行きましょう。
 そもそも、「オファーがなくなっていくんじゃないか」と怯えていらっしゃるかもしれませんが、むしろ4年生の夏休みを過ぎるとむしろオファーは驚くほどの量が飛んでくるようになります。公務員試験で落ちた人などに向け、中小企業が採用活動を開始するからです。持ち駒が少なくなっても、全然このオファーでまた増やすことが可能です。
 浪人や留年などの歴がなければ、就職浪人することも可能です。一年程度では大して気にされません。就職浪人をすることに決める場合は、遅くとも10月までに決断を下すようにしましょう。

もしそれでもダメだったら

 大丈夫です。少しきつい仕事かもしれませんが、私と一緒に探偵でもして働きましょう。


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