はじめまして、もしくは改めまして、月階柚です。 すでに何本か記事を投稿しているのですが、 遅ればせながらこの辺りで自己紹介させていただきます。 まずは基本情報を。 26歳の新人社会人です。 目があまりよくなくて眼鏡をかけています。 最近新しい眼鏡を買ってルンルンです。 学生時代に書評誌や文芸誌を作っていて、その流れでnoteをはじめました。 次は好きなものについて。 いっぱいあるのでザザーっと書いてみます。 流し読み推奨です。 ①音楽 音楽系ラジオをよく流しているので基
帰り道、自転車を漕いでいると、聳え立つ雷雲に出逢った。 全く音は聞こえてこなくて、ただ光だけを発していた。 落雷は怖いけど、夏の中にいる実感をおぼえて、 僕はノスタルジアへ飛び立つ。 クラゲを逆さにしたような、大きな雲。 傘の内に、るつぼ状の町が形成されている。 そんな妄想が浮かぶ。 雷光を捉えようとしたけれど、 やっぱり光速には追いつけなくて 写真には光の残滓だけがうつった。 花火の散り際みたいに儚い、金色の鳥みたいだ。 近くを歩いていた女子高生たちが、光を見つめな
公園のパンダはよいものだ。 地べたにうつぶせてまどろむ個体。 お腹にバネをつけて乗客を待つ個体。 今日出会ったのは、 腕を不思議にS字カーブさせながら まったりにっこりまっこり鎮座する個体。 子供のころ近くに住んでいたタンクトップのおじさんにどこか似てる。 あの「やあ、少年」みたいな「こうえんをたいせつにしましょう」がすっと胸に入ってくる。 「またね」と心の中で手を振って、僕は公園をあとにした。
ふだんは川の中で気持ちよさそうにしている鴨たちが、今日は川縁にのぼってきていた。 今朝は雨がよく降ったから、避難しているのかもしれない。 右の子がカルガモで、左の子がマガモらしい。 友達なのか、カップルなのか、家族なのか、 それともたまたま居合わせた2羽なのか。 僕にはわからないけれど、 なんともにっこりしながら並んで川を眺めている様子は なんだか尊いなぁと思いながら通り過ぎた。
かわいいぬいぐるみが机の上で微笑んでいても カレーライスが目の前で湯気を立てていても 窓の外の空に淡い水色とピンクが溶けても 夕方の心地いい風が髪を撫でて行っても ラジオから好きな音楽が流れてきても ここには君がいない まあ 君 に宛てはないんだけど
電車で友人の住む町へ向かう。 途中の町で雨が降って、水滴とともに電車は進む。 この路線は、きっと乗客たちに愛されているんだろうな。 窓の下のアルミ台にたくさんの文字や模様が刻まれているから。 家族や友人と一緒に笑い合いながら、ひとりで物思いにふけりながら、ここにその時の思いを残していったんだ。 ペンでグシグシ削られるのはちょっと痛そうだけど、この溝は、これを残した人やそっと撫でる人になにか暖かいものを注がれていて。 だからこの電車に乗るとこんなにのんびりした気持ちになるのか
ちいさいころ、おばあちゃんと森永ミルクキャラメルでハートをつくったことがあった。 銀紙をむいたキャラメルを3つ耐熱ボウルに入れ、電子レンジで温める。 柔らかくしたそれをこねて、伸ばして、端っこ同士をくるっと、くっつける。 ハートの輪っかの出来上がり。 このピンクのベンチにも、だれかの甘く優しい思い出が乗っかっているのかもしれない。 #創作大賞2024 #オールカテゴリ部門