ルリドラゴン 三話感想

ルリドラゴンの三話が配信されました。期待を裏切らず、三話も実によかった。万が一、クラスでルリが虐められたり、ドラゴンを狙う謎の組織が襲ってきたらどうしようかハラハラでしたが杞憂でしたね。100点満点の三話です。

新連載にハマるっていうのは一見良いことのように思えますけど、実際は毎週アンケートの結果に一喜一憂して、ただでさえ憂鬱な月曜日がますます心休まらないものになってしまいます。そしていざ大好きな漫画が打ち切りになってしまうと、割とネタにできない精神的ダメージを負うことになります。今まで自分も『神緒ゆいは髪を結い』や『ミタマセキュ霊ティ』や『アメノフル』などの連載を応援してきましたが、どれも力及ばず終了してしまいました。ルリドラゴンはそうならないと良いんですが……とにもかくにもアンケートですね。

さてルリドラゴン三話ですけど、まず扉絵ですよね。この一枚絵だけでジャンプに金出した価値があったと思います。「ツノがあったって高校生だし、翼がなくたって飛べたりもする。そんな今日この頃」という柱もいい味出してます。一話のジャンプ表紙もそうなんですが、本編ではダウナーなルリが扉絵だとやけにはっちゃけてます。黒板にチョークで描かれた翼と尻尾を背負ってジャンプしてフォトジェニックな一枚ですね。右下の子はドラゴンに怯える演技をしてるのか本当に何かに焦っているのか謎です。本編でもルリはこうやって翼が生えることもあるんでしょうかね。読み切り板だとオチでツノが増えていたので、もしかしたら今後どんどんドラゴン化が進むという可能性もあります。

冒頭。このクッソだらしない感じが最高ですね。四肢を投げ出して背中も見せて、床には服が投げっぱなし。先週は学校いくかーと意気込んでいたルリですけど結局一週間不登校になっていたようです。海は完全強制はしていませんけどやっぱり娘には学校に行ってほしいみたいです。そしてルリを見るなり泣きながら抱きついてくる床。最高ですね。百合ドラゴンです。「違ぁ〜う。制服着てるルリに会いたかった、の!」もう一挙手一投足、一言一句が可愛いですね。体温高くなってるのはエロい。ルリも赤くなってるけど、母親に撫でられた時と違って照れ隠しに離れようとはしていません。普段からこういうことやってるんでしょうね。

ルリもそうですけど、「すげー」とか「そうなのか」とか床ちゃん結構喋り方が男っぽいです。そしてルリはやはり学校にいくのが心配。半分人外ですからね。虎杖と一緒です。しかし実際は級友達はルリに興味津々のようです。床は色々詮索されたようですけどルリがドラゴンの子だとは言わなかったようです。プライベートなことですからね。勝手に言わない口の硬さ。二人の様子を見ていると、床はルリに会いたがってる割にLINEで「学校に来て」とか「学校での様子はこうだよ」とか送ってなかったとようです。不登校のルリにプレッシャーかけたくなかったんでしょうか。

一話の時から思ってたんですけど、ルリって人付き合いが苦手なくせにツノとか関係なくクラスで親しまれているような気がするんですよね。床以外のツインテの女の子からも抱きつかれていましたし。人によるんでしょうけど、女子の名前を「お前」とか「青木」とかいうのって結構距離近くないと呼べなくないですかね(「お前っていうな」とは言われてましたが)。自分の学生時代は大体さん付けでした。そしてルリが一番恐れている吉岡くん。ルリが髪を燃やしてしまった男子です。が、全くルリを恨んでいる様子はなく、むしろ「青木は大丈夫だったのか?」と心配してくれてます。いい子です。教室入る時にルリは吉岡くんの腕を掴んでます。思春期の男子ならこれだけで惚れてしまいそうです。ルリドラゴンは今のところバトル化も恋愛化の兆候も見せていませんけど、恋愛路線なら吉岡くんは彼氏候補の最右翼ですかね。でも結局床に負ける敗北者になると思います。

結局学校でルリの心配していたような迫害はありませんでした。クラスメート達はルリがドラゴンの娘と聞いて目をキラキラさせています。そして最後にルリの「私って学校きて大丈夫なんですか?」への先生の返答。

まあ普通の人間社会でもよくあることです
普通とは違う特性を持った人がいることなんて
火を吐いたくらい気にすることないよ
世の中いろんな人がいるもんです
みんなも色々思うところがあるかもしれませんが
まあ仲良くやっていきましょう

ヒロアカの世界でも、マッシュルの世界でも普通とは違う特性のせいで迫害されている人たちがいます。ルリも自分は人間じゃないし迫害されても仕方ないと不安でなかなか学校に来れませんでした。しかし「あるはずのものは実はもとからなかったりして日々は意外に軽々と」進むものです。最後のコマでルリはどこにいるのかもわからないモブになります。ツノが生えて火を吹いたくらいのことは大した事件はなく、ルリの日常は起伏ないまま続きます。


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