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【プロレスにおけるヒールとは??】悪役が引き立てるプロレスの魅力!!!

皆さまいつもご愛読ありがとうございます。
プロレスマニアです。

本日は意外と知らないプロレスの『ヒール(悪役)』について解説しようと思います!



*プロレスにおけるヒール(悪役)


そもそも「ヒール」とは主にプロレスやその他のエンターテイメント中で見られる、悪役や反英雄を指す用語です。この言葉は、観客からブーイング(非難の声)を浴びせられる存在として、ストーリーテリングの一部で、エンターテイメント性を高めるために存在します。ヒールのキャラクターは、しばしば反則を行ったり、助けを求めているヒーローを挑発したりします。

*ヒールの歴史


1920年代に、アメリカの都市部で隆盛したレスリング・ショーにおいて「正義」対「悪」という、勧善懲的アングルが興行を盛り上げる上で必要と考えられたため、「ベビーフェイス」と同時に「ヒール」が発祥しました。

基本的にはどの国でも自国レスラーがベビーフェイス、外国人レスラーがヒールというのが通例でありました。
アメリカでは人種に基づく差別や偏見が根強く存在し、多くの場合第二次世界大戦で敵国人だった日本系やドイツ系、あるいは旧共産圏のスラブ系や異文化・異教徒を象徴するアラブ系、正体不明の覆面レスラーといった、わかりやすいヒールが主流でした。ジャイアント馬場選手もアメリカ修行時代にはヒールとして活動しています。

*さまざまなヒール

ヒールにはいくつかの類型が存在します。

【①狂人ヒール】

ギミック上、正常とは思えないような凶暴な行動やラフファイトでベビーフェイスを攻撃し、観客の反感を買うことを主眼としたヒール。

【②モンスターヒール】

常人離れした巨大な体格を活かし、その巨躯とパワーにものを言わせた怪物的なファイトとパフォーマンスで観客の恐怖心を煽り立てるヒール。

【③怪奇派ヒール】

上記の狂人ヒールやモンスターヒールとも共通した部分があるが、より不気味なギミックや風貌、超常的・神秘的な演出などで観客に恐怖心を与えるヒール。

【④エゴイストヒール】

ギミック上、エゴイスト(利己主義者)として尊大に振舞うヒール。自身の経歴や出自、容貌や肉体美などを鼻にかけ、自身を誇大表現・自己賛美したマイクパフォーマンスを行って観客を煽る。

【⑤バカヒール(ヘタレヒール)】

エゴイストヒールに近く、またエゴイストヒールとキャラクターを兼ねることも少なくないが、馬鹿げた発言や大人げのないパフォーマンス、もしくはパフォーマンス失敗、敗戦時での身体を張った恥晒しなどで観客から笑われることを求められるなどの違いがある。試合では漁夫の利を得やすい立場であるが、アングルの展開次第で正統派レスリングの技術を発揮したりなど、単純にバカや滑稽さだけでは収まりきらないキャラクター性まで要求されることも多く、ある種の才能が要求される役回りである。

【⑥外国人ヒール】

外国人選手がこれに該当。日本では、古くは力道山時代のシャープ兄弟以降、外国人=ヒールという図式はプロレスにおけるもっとも根本的なアングルである。アメリカにおいては、異教徒としてのアラブ系、異文化民族としての東洋系、冷戦時代におけるスラブ系、第二次世界大戦以来のドイツ系、アメリカにノーと言えるフランス系がヒールとなることが多い。なお、メキシコではかつての日本と同様、アメリカのレスラーはヒールになる場合が多い。

【⑦外敵ヒール】

単によそ者というだけで、反則攻撃などヒールらしい振る舞いをするとは限らないが、団体抗争における他団体の選手がこれに該当する。団体(国際プロレス)消滅後であるが、1980年代前半の新日本プロレスで活躍した国際軍団、1980年代中期の全日本で活躍したジャパンプロレスなどが代表例。USWA時代のジェリー・ローラーのように、所属団体ではクリーンファイトを繰り広げているが、他団体参戦時にはラフプレイに転じるレスラーもいる

【⑧反逆者ヒール】

団体のエースや首脳陣(フロント)の動向に反発して敵対する立場のキャラクターを務める。世代抗争などを絡める場合もある。

【⑨武闘派ヒール】

レスラーのキャラクターや立ち位置ではなく、ファイトスタイルに基づいた分類で、ラフファイトや反則技、場外乱闘や過激で危険な技といった技術・行為を積極的に取り入れて戦うレスラーのこと。ハウスショー的アングルが少ない団体で多く存在する傾向がある。

【⑩極悪マネージャー】

悪徳マネージャーとも呼ばれる。ヒールの専属マネージャーとしてマイクパフォーマンスを代行する他、リングサイドに陣取り試合中にベビーフェイスの足を引っ張って転倒させる、凶器をリング内へ投入する、レフェリーの注意を引きつけて反則行為を助長させる、勝負どころでレフェリーのカウントを妨害するなど、観客の憎悪を煽る行為を働く。大抵の場合ベビーフェイスのレスラーに制裁を受けたり、味方のヒールに手渡した凶器の誤爆などによって失神するなどして、控え室へ押し戻されるというのがお約束となっており、上記のバカヒール(ヘタレヒール)にも近い。

【⑪極悪レフェリー】

ヒールのレスラーに買収された、もしくは結託したというギミックで、反則行為を見て見ぬ振りをするなど、試合中にヒールに有利なレフェリングを行う。大一番の試合でも同様の行為を働くが、ほとんどの場合、試合中のアクシデントでリング外へ落ちたり失神したりするなどして、サブレフェリー(正式なレフェリー)と交代して中立なレフェリングが行われ、ベビーフェイスが勝利するパターンがアングルの基本線である。

【⑫極悪経営者・フロント】

団体経営者、上級社員、顧問弁護士、GMなど、会社や選手を運営管理する立場の者が、その権力を濫用してベビーフェイスの選手を苦しめるヒール・キャラクターとして前面に出てくる場合がある。基本的にはレスラーではなく試合には出ない。試合の対戦相手やルールを、ベビーフェイスに極めて不利に設定したり、無理難題を押し付けたりなど、通常はリング外で高みの見物をしながら悪徳行為を犯すのが主である。しかし、アングルの展開次第では試合に引っ張り出されたり、トリプルHのようにレスラー経験者の場合は自ら率先して試合に乱入したりすることもある。

【⑬悪徳解説者】

本来は中立であるはずのコメンテーターが、実況においてヒールを露骨に絶賛する反面、ベビーフェイスの人気選手を侮辱するような解説を行って視聴者の憎悪を煽る。行為的には悪徳マネージャーに近く、マネージャーを兼任している場合もある。

*ヒールターン

かつてベビーフェイスだったレスラーが、ヒールに転向することをヒールターンと呼ぶ。これは興行自体がマンネリ化するのを避けるためであったり、レスラー自身のベビーフェイスでの人気が今一つであったり、陰りが見えてきた場合や、若手レスラーのキャラクター作りのために行われる。

また、レスラーが新人、若手、中堅を経てトップレスラーへと上り詰めてゆく過程においては、リング上のパフォーマンスで観客の心理をコントロールするスキルと演技力を身につける必要があり、その実践訓練としてヒール修行は必須で、いわばトップレスラーを目指すにあたって超えるべき関門の1つともいえる。実際、ヒールレスラーのパフォーマンスに憧れてプロレス入りした者も珍しくはなく、自ら志願してヒールターンする場合、あるいは最初からヒールとしてデビューするケースもある。

ヒールにターンする場合、観客が理解しやすい様に、他のベビーフェイスレスラーを襲撃する、リング上で仲間割れを起こす、コスチュームや髪型を変えるなどの派手なパフォーマンスを行うのが常道である。
他方で、自団体がエース候補として育てている若手選手がある日突然ヒールターンして狂人やエゴイストの様な振る舞いをするのは、長期的なキャラクターイメージや販売戦略を考えた場合にはさすがにマイナスとなりかねないため、その場合には「若さゆえにフロントに反逆し、世代闘争を掲げて現エースという大きな壁に歯向かう」などという筋書きで、そのアングルにおけるキャラクターの立ち位置はヒールでありつつも、リング上での成長物語的な要素も絡めて単純な悪役像に落とし込まない様にアングルが構成されるのが基本である。

演出上、ヒールターンは選手が自ら行動を起こした場合と、ヒール軍団による勧誘といった場合がよく見られるが、本来は団体経営陣やプロモーターの判断によって決められている。そのため選手によっては不本意ながらヒールに転向しているケースや、それまでベビーフェースもしくはスター選手であった選手が1年以上長期欠場し、後遺症に悩まされ以前のファイトが出来なくなった(もしくは以前の勘を取り戻すまで)場合にもヒールターンが行われることもある。同様に、一度引退した選手が現役復帰する際に試合感覚を取り戻すまでの間にもヒールターンが行われることもある。

これらの事情から、ヒールキャラクターには不向きな性格の者がヒールを演じているケースも少なくない。希にデビュー前の新人をヒールとして売り出すために架空のプロフィール(元不良や暴走族出身など)で紹介し、デビュー戦でラフファイトの試合を行わせていたこともあったが、偽りのプロフィールに嫌気がさしたり、基本的な試合運びができないといった事態により、試合中に負傷してしまい、短期間で引退を余儀なくされてしまった選手もいる。


*まとめ

皆さま今回はプロレスにおける『ヒール(悪役)』の解説を行いました。
『エンターテイメント』であるプロレスだからこそ『ヒール(悪役)』というある意味『役』が与えられ、プロレスを盛り上げてくれるんですね!

こうゆう情報を知ってみるプロレスはさらに面白くなると思うので、是非これからもプロレスマニアの投稿をお楽しみにお待ちください!



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