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小木、チャリで来る。#呑みながら書きました

高校からの親友に、小木という女がいる。

知らない奴の知らない話を聞かされるというのは、かなりの面倒案件だと存ずるが、良い奴なので是非お時間のある方は一読願いたい。


#呑みながら書きました に参加するため今年一年を振り返ってみると、怒ったり悲しんだりする自分の姿が案外多く蘇り、そのどれもが自分にとってはなかなかカロリーを要するものばかりであった。
しかし、いざ書こうと思うと、然程聞いて欲しい話も無く、書いて発散したいというエネルギーも見当たらない。

(そうこうしている内にお酒だけが進んでしまう。
只今、ハイボール2リットル通過)

はて、怒れる私はどこへ行ってしまったのか。
エチルアルコールが心地良く巡る脳を振り回してみると、ふいに小木の顔が思い浮かんだ。

そうや、あの日で全部チャラになったんや。


今年の初冬、仕事中の事故で恋人の指があわや切断という事態になったことがあった。
いつもはパッパラパーな私も、その時はかなりしっかり動揺し、しかも利き手の2本が失くなるかもなどと言うものだから、鬼の目にもウルッと来るものがあった。

いつもはマジの悩みなどを友人に晒したりはしないのだが、その時は自分ひとりでは抱えきれず、自分にとって「親友」と呼べる奴らに片っ端から連絡をとってしまった。
小木もそのひとりである。

小木と会う時は、いつも彼女のマシンガントークを話半分(内緒)で聞くのだが、その時の彼女は至って冷静にこちらの状況を伺い、様々な慰めの言葉をくれたのち「いつもこっちばっかり頼ってたから、頼ってくれて嬉しい」などと予想外の言葉を送ってきた。
いつもとは違う小木の振る舞いに、一連の出来事に慌てていた私もすっかり正気を取り戻し、涙も引っ込んだ。

それから数日後、家で夕飯を済まし充電していたスマホを覗いてみると、小木から着信やらメッセージやらがいくつも届いているではないか。
何事かと数分前に届いたメッセージを開いてみると、

「ドアノブにお土産かけてます」

とある。

はぁ?????
小木を家に招いたことすらなかった私は、何故うちを知っている!?、というか今22時前やぞ!!、いや今ならまだ近くにおるか!?、など瞬時に様々な驚きを受け止めながら、慌てて小木に電話をかけた。

「まだ近くにおるよ〜↑」

小木の気の抜けた返事に拍子抜けしながらも、私は慌ててすっかり冷え込む住宅街へと飛び出す。
ドアノブには何やらしっかりしたプレゼントがかかっていた。

走って近くの十字路まで出ると、チャリを止めて小木が手を振りながら立っていた。

「どうしたん!」

「彼氏さんにお見舞い持ってきてん〜わ〜モリ子や〜会えた〜!」

「家なんでわかったん!」

「年賀状〜!チャリで1時間かかった〜!」

小木だ。これこそ小木だ。
嗚呼、高校の頃から何も変わっていない。
26の女が寒空の下1時間チャリをかっ飛ばして会いに来る、、こんな泣ける話があるか、、!!!

いかんいかん、感極まって小木の話をダラダラと書いてしまいました。
私のことも引いては小木のことも知らない皆様にとって、かなり退屈な1200字だったはず、、
今日はこの辺で、、、
読んで下さった方、ありがとうございました、、

小木はこの後、再度1時間かけチャリで帰ってゆきました。


第10回開催おめでとう&ありがとうございました!



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