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コロナ禍の状況下での、日本の医療逼迫の問題がよくわかる良書。

一年前の緊急事態宣言が明けた頃に仕事でお客様のところに行くと、よく話題になったことが、「日本はコロナ感染者が欧米の1/100程度なのになぜ医療が逼迫するのか」というテーマでした。

昨年夏以降にはこの話題がマスコミでも結構取り上げられるようになり、人々の関心も集まりましたが、いろいろな解説等を読んだり、聞いたりしていてもなかなかよく理解できなかったが、この本を読んで、結構スッキリ理解できたような気がします。また、コロナ対策にとどまらず、日本の膨れ上がる医療費を抑制するための提言もあり、一読の価値があると思います。

作者の主張は、

①ウィルスを撲滅するのは不可能。ある程度、共存しながら、生活していくことが必要。

②よって、PCR検査至上主義は意味がない。

③海外の体制等を見ると、プライマリ•ケア(かかりつけ医)の制度をとっている国も多く、必要以上の医療や薬の消費の抑制に貢献している。

④人口あたりの病床数と平均寿命には関連性が低い

⑤高知県の人口あたりの病床数は、神奈川県の3倍。病床を埋めるために患者が作られている。

⑥政府や厚労省は医療も自由競争に任せれば、やがて、効率の悪い病院は淘汰されていくという方針であったが「市場の失敗」により、そうはなっていない。

⑦公立か民間かを問わず、医療は公的な存在であるべき

⑧日本の医療は、病気を治すことだけでなく、もっと、患者に寄り添い、社会を診ることが必要。

私自身、転勤も多く、かかりつけ医を持っていない状態ですが、年齢のこともあり、今後はかかりつけ医を持つ重要性を感じました。また、国全体で、もっともっとこのかかりつけ医制度を推進していく必要性があると感じられました。


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