おびかたるしま(帯語島)のものがたり④
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『3人の思い』
ヨシは5歳になったばかりだった。
小さい時から、いつも5つ歳上の兄『タケ』の後に引っ付くようにして歩いていた。
タケが見えなくなると大声で泣いた。そんなヨシをタケも可愛がり、
面倒をよく見ていた。
2人の父は村で一番の漁師だったが、ヨシが1歳の時、漁に出たまま
帰らぬ人となっていた。
『嵐で遭難した、鮫にやられた、怪しい舟に襲われた、遠くの島にいった、逃げた・・・。』
村人の噂話だけは聞こえてきたが