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4/18 ロケハン

保険のことは引き続きメールでやり取りするとし、再び旅は前へと動き出した。車以外の交通手段がない旅先で車を失うということは昔で言えば自分の馬を失うようなもの。主導権はなくなり太一琢磨の旅に相乗りするかたちになった。太一君のイクリプスの撮影に対する情熱はとにかく凄く、遥か彼方のレベルまで行っていて、過去の太一君が撮ったイクリプスの写真は天文業界では有名になっている。エクスマウスに入ってからは日中の時間のほぼ全てをロケハンに費やし、腹が減ったらサクッと食べて、夜は満点の天の川の下、徹夜で赤道儀の制御をPCでプログラミングする。イクリプスの通る道はエクスマウスがある細い岬を斜めに通る。オーストラリア全土の地図で見ると左上のほんの小さいな岬を斜めにかすめていく感じだ。その中でもセンターラインはトータルイクリプス(太陽と月が完全に重なる瞬間)の時間が一番長く今回は58秒。そのセンターから離れると秒数も短くなる。エクスマウスの町でも見えるのだが、センターからは外れている。なので我々はできるだけセンターに近づき、かつ広角で撮ったときにビューが良い場所を探す。合間にso niceなビーチで泳いだり写真を撮ったり。明日19日の夜は前日なので撮影地で野営する予定にしていたが、今日はどこで泊まるか決めかねていた。太一琢磨は車中泊、俺ら2人はモモちゃん持参のテントで寝ようと思ってはいるが、例の高いテントサイト以外でテント張ってるとレンジャーに注意される可能性が高い。そんな最中、ニュージーランドから来ているサーファーで旅人のリョー君カップルとその友達2人と連絡が付き、落ち合うことになった。なんでもリョー君がガソリンスタンドで一緒になった人と話したら、近くのビーチでパーティーを開くクルーで、テント張れるサイトもあると言う。その場所に行ってみると50mプールの大きさくらいのエリアに車を停めてテントが張れる場になっていた。渡りに船とはこのことで、皆でここに基地を作らせてもらえることになった。さすが旅人リョー君の引きは強い。今回の旅は太一君とリョー君という2人の磁力が中心となって動いてるような気がしてきた。
我々の場所の隣も日本人の3人組で、彼らはメルボルンから来たやはりリョー君の友達だった。
太一君のセッティングを眺めつつ一人ワインを飲みながら天の川の写真を撮って過ごした。それにしても毎日のように夕日、夕焼け、その後の星空が素晴らしく、こんな贅沢なことはない。良い感じにワインが回り、2時くらいにテントに転がり込んだ。

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