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ファーム生活について

ごめん、同窓会には行けません。今、オーストラリアにいます。この国のため乳牛から搾乳しています。……本当は、あの頃が恋しいけれど、でも今はもう少しだけ、知らないふりをします。私の搾ったこの乳も、きっといつか誰かの青春の味になるから。



ということで、今回は私が今いるファームとその生活について話していこうと思う。

と、その前に、noteを書くことをめちゃくちゃにサボっていたことを海よりは浅く、深く反省したい。

どれくらい書いてないかと言うと、前の記事がオーストラリアほぼ2ヶ月を記念に書いていて(本当は毎月書こうと考えていた)、今の私はオーストラリア6ヶ月目に突入しようというところである。

"Time is flying."

この唐突に英語という感じからも6ヶ月目というのが充分に伝わっていることだろう。留学に行った日本人の典型的な嫌なやつになりつつある。前髪はまだあるが。


本題に入ろう。

私は今、ビクトリア州、メルボルンから見て、南東の「ヤナキエ」という地域に住んでいる。

奇遇なことにオーストラリアは私の地元、山口県と形がそっくりである。そこで私の地元の友達にわかりやすいように山口県で伝えるならば、田布施町とかそこらへんだ。

左:オーストラリア 右:山口県

我ながら大変わかりやすい。

まあ見てわかる通り、私は山口県でいう田布施町に住んでるわけだが、田布施町と言えば何か思い浮かぶものでもあるだろうか?

…そう、ない。

これはオーストラリアのヤナキエでも同じである。私の住んでいるところは、最寄りのコンビニっぽいスーパー(19時までしか営業してない)まで2.6キロ、一番近いちょっと小さい町まで車で30分弱かかるところに住んでいる、ばち田舎だ。


仕事内容

私の主な仕事内容としては、子牛へのフィーディングと親牛からの搾乳である。

フィーディング

フィーディングには2種類ある。

まず1つ目は産まれたばかりの生後30分とかの子牛達に、飲みサーの先輩より鬼畜にミルクをとにかく飲ませる。午前2リットル午後2リットル。

牛達にも飲みたくない気分などはやはり存在するが、そんなのお構いなしに、時には足で挟んで固定したり、時には顔をガチガチにホールドしたりして飲ませる。

そして時にはチューブというタピオカ用ストローより2回りくらいあるまあまあ太い、牛の苦しみフル無視の、長さ30センチくらいの管を口から突っ込んで無理やり飲ませることもある。これには近大の飲みサーもびっくりである。

2つ目はちょっと成長した、生後1ヶ月くらいの大きめな子牛たちを、コンピュータという自動でミルクが出てくる機械のところに連れて行きそこでミルク飲ませる仕事だ。

この機械はハイテクで、牛の耳についているタグを認識して、今ミルクを飲んでいる牛が今日合計何リットルミルクを飲んだかが表示されるのだ。

ちょっと大きめな子牛も変わらず、午前2リットル午後2リットル飲まなければならず、飲んでない牛をちょっと広めな柵内から探して、走って、尻尾をこれでもかと引っ張って、無理矢理連れて来なければならない。

これらがフィーディングの主な仕事内容である。

これらに加えて、場内の掃除や、ミルクを運ぶなどの雑務もある。特に、毎回20キロ近いミルクを両手に持って運ぶ作業は地味にめちゃくちゃしんどい。毎度持ち上げる際は、ガノンドロフの通常必殺技ばりの声を出しながら持ち上げている次第である。あの声には意味があった、まじで。

また子牛を連れて行く際にもなかなかな筋力が必要で、その上子牛から頭突きが15秒に1回くらいの頻度で八方から、ランダムに飛んでくるためイライラは絶えない。子牛の背丈的にも金的にヒットしかねないため油断は常時禁物である。イチモツなだけに。

搾乳

搾乳は、回転寿司のレーンみたいな、回転する地面よりちょっと高い台の上に、両脇を仕切りと目の前にエサで牛が固定され、その間に牛の下背後から搾乳機を乳につけて搾乳するという仕事である。

こんな感じ          *この画像はうちのファームではない

この仕事、その場からそんなに動くこともなく比較的楽ではあるが、お察しの通り、牛のケツから出るしっことうんこのシャワーが浴び放題である。

また、蹴られる確率もゼロではなく、こちらもまた油断のできない仕事である。(*親牛の蹴りはまじの死に直結レベル)

お給料

みんな気になるお給料の方だが、時給制で、シーズンを過ぎてはいるが、手取りで月40万(1AUD=100円計算)は最低でも稼げるといった感じだ。私より1ヶ月前にいたシーズン真っ只中に働いた人は2週間で40万くらいいってた気がする。

勤務時間

勤務時間は8時から18時である(昼休憩1時間〜2時間)。しかしながら19時に終わることもしばしばある(時給制なのでダラダラすることで割と時間を伸ばしている)。

私はフィーディングと搾乳を両方担当しているが、搾乳専門の人は、朝3時半や、4時から始業なので、私は搾乳専門にならないように毎日祈っている。

2ndビザ取得する人へ

2ndビザ取得のためにデイリーファームを選ぶのはとても良い選択だと個人的に思う。

理由としては、天気が関係ないこと、(働く会社にもよるが)フルタイムとして働けるため、ホリデーを勤務日に換算していいことが多く、働き出した初日からちょうど3ヶ月でファームからシャバに出ることができるためである。

デメリットとしては、臭い、汚れやすい、周りに何もなく不便することが多い、車必須または経験必須などの条件があることがある、また、ワーカー自体が少ないことが多く、友達いっぱいファームライフ!みたいなことの実現には向いてないように感じる。

最後に

なんかめっちゃ真面目な感じの文になってしまったが、ファームで牛に付けられたうんこを牛に付け返す、「うんこをうんこで洗う生活」はとても充実しているなと感じている。

時には牛に注射を打ったり、もちろんだが世話した牛の死に直面することも多々あり、命やアニマルウェルフェアについても考えさせられる良いきっかけになったなと思う。

あなたもぜひ、オーストラリアのファーム生活はデイリーファームで!!!!


P.S.牛にはめちゃくちゃ腹立つことが多いので、この立った腹分の容量を、シティに帰って必ず牛肉、牛タンで埋めてやろうと誓っています。シティ帰ったら誰か一緒行こ

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