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グランマの心に残る旅 南仏編3

 ニースから22㎞離れたヴァンスへはバスで行きました。立つ人もいるくらい満員のバスに揺られて約1時間。有名な鷲ノ巣村サンポールの隣にヴァンスはあります。ヴァンスでは雑誌で見つけた民宿を予約しました。素敵なマダムが出迎えて下さり、案内された部屋は古いけど趣味よく片付けられていて一安心。荷物を置いたらすぐに、一番のお目当てロザリオ礼拝堂に向かいました。

 70歳を超え大手術をしたマティスは献身的に看病してくれた女性モニカとヴァンスで再会。修道女となった彼女は戦火で焼失した礼拝堂の再建をマティスに依頼。マティスは建物からステンドグラスに至るまでの全てを無償でデザイン。4年かけて完成した礼拝堂は、マティスの最高傑作と言われています。

 案内され礼拝堂に入った途端、思わず息をのみました。雑誌で見て想像していた以上に圧倒され、鳥肌が立ち涙が出ました。宗教色はないのに、人間的な尊さ、豊かな愛、細やかな優しさがどこを見ても溢れていました。生涯最後の仕事として全身全霊を傾けたマティスの思いが伝ってきました。中でも、光を通して床に映し出されたステンドグラスの美しさは目に焼きつき、忘れることが出来ません。私にとって、この旅一番の感動でした。

 夜はマダムのお勧めで公園の横にあるレストランで夕食。娘はマルゲリータを、私はサーモンのカルパッチョを注文。テラス席で頂いた夕食は、味はもちろん、たっぷりとした量も、リーズナブルなお値段も最高でした。

 ヴァンスは、旧市街にある大聖堂を中心に、城壁に囲まれ楕円形をした中世の街です。お店もたくさん並んでいて、私たちは南仏のお菓子とプロヴァンス模様のテーブルクロスを買いました。

 翌日はニースに戻り1泊。様々な思い出を胸に、初めての南仏旅行は無事終了しました。

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