見出し画像

【YouTube】歌劇《アルバ公爵》より「美しく清らかな天使」(G.ドニゼッティ)

ドニゼッティ作曲の↑のタイトル曲をYouTubeにアップしましたので、お時間のあります時にでも、是非。

あらすじなどは、動画内で説明しておりますので、ご覧下さい。
※動画リンクは記事の一番下です。

物語の場所は、フランドル地方。
現在のオランダ南部、ベルギー西部、フランス北部を指します。
子供の頃見たアニメ「フランダースの犬」、このフランダースは、フランドルの英語読みです。

このフランドル地方は中世、スペインの支配を受け、長年、独立運動が起こっており、政情は不安定な地域でした。

このオペラのタイトルでもある「アルバ公爵」ですが、アルバ公爵家はスペインでは超正統派の貴族家系で、このオペラに登場するアルバ公爵は、第3代アルバ公フェルナンド・アルバレス・デ・トレド(1507–1582)です。

第3代アルバ公フェルナンド・アルバレス・デ・トレド(1507–1582)

著名なスペインの軍人でもあり、1567年にはスペイン領ネーデルランド総督としてフランドル地方に赴き、カトリックに抵抗するプロテスタントの独立派の長、エフモント伯らを大量処刑し、これがきっかけで「80年戦争(オランダ独立戦争)」が起こったとされています。
このオペラの登場人物でもあり、このアリアを歌う役でもある、彼の息子マルチェッロですが、実際にいた人物なのか分かりませんしオペラのようなエピソードもあったかも分かりません。

80年戦争時のフランドル

オペラ《アルバ公爵》は、アルバ公爵の息子マルチェッロが歌うこの「美しく清らかな天使」のみが突出して有名です。
ドニゼッティは1839年に2幕まで書き終えたものの、劇場側との不仲で、作曲は中断、未完となります。
44年後、弟子のマッテオ・サルヴィが、ドニゼッティが書いた曲のスケッチなどを膨らませ残りの部分を作曲し、全4幕のオペラは1882年に初演、大好評であったものの、既にドニゼッティの作風は時代遅れの感があり、以来20世紀中頃まで、上演されることのない幻のオペラとなってしまいました。

オペラ自体は初演だけの一発屋で終わってしまいましたが、《アルバ公爵》の台本に目をつけたジュゼッペ・ヴェルディが、台本作家に指示し(ヴェルディは否定していますが)、物語の場所、登場人物、時代などを変えて、改訂版として新しい台本を作り、それをもとに、有名な歌劇「シチリア島の夕べの祈り(シチリア島の晩鐘)」を作曲しました。

2つの作品には、こんか繋がりがあるとは、面白い話ですね。

では、お楽しみ下さい。

いいなと思ったら応援しよう!