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【書評】「キーエンス解剖 最強企業のメカニズム」を読んで

本の概要

営業利益率は脅威の55%超、社員の平均年間給与は2000万円超──。売上高は1兆円に満たないながらも日本の時価総額ランキングで第3位に入るのがキーエンスだ。日本を支えてきた製造業の弱体化が指摘される中、なぜキーエンスはこれだけの結果を残せるのか。その神髄は顧客の心をつかむ営業や商品開発、人材育成の仕組みにある。外部にほとんど明かされないキーエンスの正体に日経ビジネス記者が迫る。

Amazonより

なぜこの本を読んだのか?

平均年収2,000万超…だと…?
天文学的な年収(筆者にとっては)を稼ぐスーパーサラリーマンが、どんな仕事をしているのか気になったため。
営業として何か学べるものがあるのでは?と思いました。

こんな方にオススメ

  • 営業職、マーケティング、開発に携わる方

  • マネジメント、経営に携わる方

  • 就職活動を控えている学生の方


印象に残ったところ

顧客の要望を先回り

「キーエンスは営業担当者の商品知識もずぬけている。現場で競合の商品の使い方すら懇切丁寧に教えてくれるので、ついつい相談してしまう」

本書より抜粋


製品知識や業界知識がずば抜けているので、顧客は同社の担当者に依存していく。相談役のような存在で顧客の現場にどっぷり入り込めるから、顧客の気づかない潜在需要、本書で言う「裏のニーズ」に気付くことができる。これが同社にとってのキー。

ロープレ1,000本ノック

営業担当者だけでなくマネージャーも、とにかくロープレを行うらしい。実際ロープレって新人の頃はやっても、慣れてきた中堅になるとサボっちゃいますよね…(というか恥ずかしくやりたくない)
セールストークは台本があり、顧客によって柔軟に変えるのだそう。
本番前に練習試合を行うことは当たり前なので、ロープレ、やっぱり大事ですね。

初動の速さ

顧客がカタログをダウンロードすると、速攻で同社の担当から電話がかかってくるそう。すぐに製品デモを提案され、他の競合はあっという間に置いてかれてしまう。また当日出荷を差別化要素としており、即納対応も顧客に喜ばれるポイント。確かに、ここまで早いアクションは担当レベルの能力や意識付けではどうにもならないので、企業レベルでの体制作りが必要。

顧客の「欲しい」 それでは遅い

「どういう商品を開発するかを、お客さんから言われて決めているようでは、既に遅いんです。顧客の要望通りのものを作っていても、付加価値は高くならない」

本書より抜粋

同社の開発部隊は、自ら顧客に趣き、顧客の潜在的な需要を明らかにし、製品開発を行うそうです。製品力に強みがあると売りやすいので、営業としては助かります。しかし、ここまで開発部隊が自主的に動く企業は他に聞いたことがありません。

この本を読んで感じたこと

こんなハードに働けねぇよ…と思いました笑
年収は魅力的ですが、その年収に見合ったハードワーク、結果へのコミットなどプレッシャーもあるでしょう。
そもそも、大人気企業なので地頭が良くないと面接も受からないはず。入社できる方は基本の能力が非常に高い水準にあり、おそらく素直な方が多いのではないでしょうか?
上司や先輩のフィードバックを素直に受け止め、日々改善し、言われたことを忠実にこなす必要があるからです。
体力と素直さ、地頭と行動力、同社の営業マンにはビジネスの基本となるこれらのスキルが備わっているのだと思います。

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