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ポジティブ組織心理学を学んでみた其の一

こんにちは。
マネージャーの高野です。
以前の記事でデトックスにおすすめな動画をいくつか紹介させていただいた際、ポジティブ心理学について少しふれさせて頂きました。

こちらの心理学に出会ったのは約3年前。独学でたしなむ程度にお勉強してきました。

ポジテイブ心理学において非常に需要なkeyword”well-being”の概念が最近個人単位だけでなく組織の構成においても非常に注目されていることがわかり、これはアウトプットをするチャンス!!
とそのヒントを学ぶべく「ポジティブ組織心理学」という講義を受けることにしました。

具体的にどんなことを学べるかというと、、、

・職場における精神・身体が健康な状態とは
・ポジティブな人間関係
・持続的成長の原動力
・高い従業員エンゲージメントに必要な条件
・強みを中心とするジョブクラフティング
・ポジティブな変革へ導くためのリーダーシップ

などなど。

って言葉で書くと難しい、カタイ!!!
と私も思ってしまいます。

でもこれらをグランドデザインへお持ち帰りすることが私の勝手な目標なので笑、なんとか講義が全て終わるころには「どう組織にいかすか?=HOW」を明確にし、どこかで何かのお役にたてたらともくろんでおります。

というわけで上記にあげられている学びを私なりにわかりやすい言葉でこのnote内でご紹介させて頂き、この記事を読んでくださる誰か(笑)に向けても「へぇ〜〜」なんかこれなら自分の生活に落とし込めるかも!となるような何かを届けられたらと思い記事にしたいと思います。

とはいえ講義はまだ始まったばかり。道のりは長そうですが、お付き合いください。


今回は序章ということで
①なぜこの学問を勉強しようとおもったのか?
②ポジティブ心理学ってなに?

ということを書きたいと思います。



1.そもそもなぜこの学問を勉強しようと思ったのか

パニック発作とうつ病の併発を経験したから。です。
(今は寛解しました!)

皆さんにも人生を変える経験ってありませんか?
わたしもいくつか小さなものは経験してきたのですが、こちらの出来事は、いままで自分の中で知らなかった一面と向き合うこと、あたりまえがあたりまえじゃないことの痛感等、ドラスティックに人生が変わった。といっても過言ではない経験になりました。

この当時主人はインドネシアへ長期出張、子供はまだ4歳、職場の繁忙期。それに拍車をかけるかのように子供にチック症候群の症状が、、、病院通いもはじまりました。

「母親としてわたしは子供とちゃんと向き合えてるんだろうか?」
「何のために仕事してたんだっけ?」

悶々とした日々を2ヶ月、睡眠時間は平均2~3時間。
こんな生活をしていたある日、電車のなかで突然過呼吸を起こしました。


「あ、、、きたなこれ」


と苦しいながらも冷静に自分を見つめていたことを今でも鮮明に覚えています。

それから電車は怖くて乗られなくなり、エレベーター、高速道路、トンネル、美容室、歯医者、初めて行くデパート等々、、、
すぐに身動きが取れない、出口がわからない状態が想定されると突然過呼吸を起こす。またそうなったらどうしよう、、、という不安から夜も眠れずまた発作を起こす。
それを繰り返していました。


でもこんな状態でも以前勤めていた会社には
「自分が弱いと思われるかもしれない。」
「ここでわたしが抜けたら他の誰かがわたしと同じ思いをするかもしれない」と考えてしまい言えませんでした。

なのでなんとか通勤。
通常より2時間前に家を出て、何度も途中下車して出勤。どうしても無理な時はタクシーにのって窓全開で通勤(セレブ!)
その日に働いたお給料は交通費に消えてるな、、って思いながらどうしようもできない状態にありました。

そしてとある日体が突然起こせなくなった。。。
起きたいんですが起きられないんです。
布団から出たくとも出られない。
PCを開いた瞬間に吐き気がおそってくる。
疲れてるのに眠れない。

うつ病の併発です。

この頃には仕事も落ち着き、有給を使っておやすみをとり体を休めていました。


病院に通っていたものの、薬があまり合わず副作用との戦い。
薬が悪いわけではないし、先生が悪いわけでもなかったのですが、セカンドオピニオンを受診。その先生との出会いが次なる一歩への大きなきっかけになりました。

「高野さんが弱いわけじゃない。これは脳の病気です」

この言葉が大きかった。

「あ、脳みそ思いこんじゃってるのか・・・。メンタルが弱いって恥ずかしがらなくていいんだ。」

ということで紆余曲折ありましたが、多くの成功体験を積むしかない。と一念発起。幸いうつは軽く?(あまり軽いとか重いとかは言わないようなんですが、セカンドオピニオンのドクターがこっそり伝えてくれました)
外に出られなくなってしまう方も多い中、それは子供もいたので無理な状況だった為(今思うとこれがありがたかった)薬を併用しながら発作を起こしやすい場所に足を何度も運びました。

例えば電車では
今日は2駅連続で乗られた。
今日は4駅連続で乗られた。

というように地道に成功体験を積み重ねる。そのことで脳が「あ!いけんじゃん」ってなってだんだんと発作を起こす回数が減っていきました。

そしてそれと同時に「うつ病である自分を受け入れる」ということ「自分が鬱であり、パニック発作を起こすことを隠さない」ということも始めました。

奇跡的に出会えた先生のおかげで、
これらの経験が自分の唯一無二の個性であるという考え方に変換されていきました。そんな時たまたま参加したイベントで「ポジティブ心理学」に出会ったのでした。


今回の一件でカウンセリングをたくさん受けていたのでなんとなく心理学に興味が湧いていたこと。
そしてこの経験を発信することで、だれかの助けになれたら、、、という思いが回復へのモチベーションとなっていたので、たまたまその思いがあると話を聞きつけた知り合いの方が声をかけてくれました。

心理学と一言で言ってもその範囲はものすごく広く、数行でまとめられるものでもないのですが、
従来の心理学が「マイナスからゼロに戻す」構造となっている。言わば、うつ病などの精神疾患の治療を念頭に何かを患った人を通常の状態に戻す。
ということを念頭に研究されてきたのですが、ポジティブ心理学では「通常の状態(健康な人)を+1、+2にしていく」を研究している学問になります。

前者の自分の弱いところを見つめて改善し通常の状態に戻すこと。それはもちろん大事なことなんですが、
ポジティブ心理学ではもともとその人に備わってる強みをもっと活用してより良い生き方していこうぜ!!的なものになっています(めっちゃざっくり)

この考えに惹かれ、面白い!と思ったわたしはその日から今に至るまで本を読んだり、セミナーに出てみたり、シンポジウムのメンバーになってみたり。そこから出会いもたくさん広がりコミュニテイーに参加させてもらったりしています。


ここで、わたしから同じ状況で苦しむ誰かのために病気を乗り越えた経験からのアドバイスです。
わたしはもちろんお医者様じゃないので、医学的根拠もないし、ある人にはあってるけど、そうでない人もいるかと思います。
一つでも皆様のお役に立てればと思います。

■精神疾患になることは恥ずかしいことではありません。自分を認めてあげましょう。
→あの人はできてるのに、自分は何でできないんだろう。精神異常と思われたら皆に引かれるんじゃないか等々。
でも、ここに至ったまでには必ずあなたの頑張りがあり、乗り越えてきた苦悩があります。そこまで頑張ってきたことがすでに充分すごいです。勇気を持って助けてと声をあげましょう。あなたの力になりたいと思ってくれる人はきっとたくさんいます。

■公共交通機関に乗るときは状況を伝えられるメモを持つと安心です
→いつ突然起こるかわからない発作。
でもこちらだいたい5〜10分程度で治ります。周りの人に迷惑かけてしまうかもしれない、、、苦しかったら歩けないし、、、
そんなときは、定期入れでもいいので第三者に自分の状態を伝えられるメモを携帯しておきましょう。もしもの時のために準備することで気持ちが楽になります。

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■病院へ行きましょう
→心療内科って門を叩くのに勇気がいりませんか?わたしもそうでした。
相手はプロなので、自分では気付けないところを気づかせてくれます。
まだ大丈夫。そう自分を納得させている時点でそれは行ったほうが良い合図かもしれません。

■自分を俯瞰的に見つめてみましょう
→発作が起きた時。来るなと分かった時。苦しいですよね。もちろん苦しいのですが、「あっ、きたなー。今回はどれくらいでおさまるかなー。この状況でも来るのかー。今度はこうしてあげた方がいいかなー」とあたかも他人のように自分を見つめるんです。
そして自分に湧き出てくる感情を俯瞰的な目線でジャッジし、ノートに書き留めておきましょう。そのことで冷静になり、改めて自分を見つめ直すことができます。

■日記をつけましょう
→先に書いたように、記録に残すことは大事です。一言でも良いです。それはネガティブな言葉でも、今日どんな時どのくらいの発作が起きた。今日はどんな気分だったかでも良いです。それを見返した時、またあなたにヒントをくれるはずです。

■どこかで発信してみましょう
→わたしの場合はこのnoteもそうですが、知り合いを通じて同じような状況になっている方に向けてお話ししたり、そういうことをする中で同じ思いをする人を助けたり、アドバイスをもらったり、これがまた寛解への一つのステップになります。

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2.ポジティブ心理学ってなに?

上の章でもすこしお話ししましたがこちらではもう少し詳しくお話しします。
まずこちらをご覧ください。

視力検査のマーク


皆さんこちらを見た時、空いている穴の部分に注目しませんでしたか??
これは視力検査にも使われるので、大概の人がそうなるかと思います。

今回はこのCはあなただとして、これは元々は丸だったとします。それがなんらかの原因で途中で切れてしまった。
すると人はその穴の部分(欠如)にばかりフォーカスし、なんとかつなげようとする。そしてそれ以外の連続して繋がってる部分のことを意識しなくなってしまう。

これって人の欠点ばかりにフォーカスしがちな考え方の癖なんです。
マルだったものが欠けた時、欠けてる部分(欠点)をなんとか修復して繋げようとする。そうではなくて、すでに繋がっている部分(潜在的に自信が持ってる能力や長所)にもっと注目してそこを伸ばして欠けてる部分もカバーしてしまおう!この考え方がポジティブ心理学です。

名前だけ聞くと「ポジティブシンキングでいましょう!」「ネガティブな考えはやめよう!」てきなもはや精神論でカバーしてしまえ的なものに聞こえますが、
いつでもどこでもポジティブでいることを是とするわけではありません。ポジティブもネガティブもひっくるめて、自分がより自分らしく、幸せに生きること。そのためには何が必要か。それを科学的に研究している学問です。

Key1:ポジティブ心理学の父マーティン・セリグマン

今でこそ強みをのばそう!と提唱しているセリグマンですが、もともとは心の病や問題を研究する方だったんです。
セリグマンにとって、ポジティブ心理学という分野の研究に大きく舵を切ったのは、当時5歳だった彼の娘のニッキちゃんとのやり取りがきっかけでした。実は当時のセリグマンは、心理学を学び、研究し、それを教えつつも、自称「不機嫌な人間」。仕事中心の生活を送っていて、たわいもない世間話にも耐えられないほどだったんだとか。

そんな生活の中娘さんの子育てを通して、
子供を育てるというのは、子供の欠点を直したり、何でも間違っていることを正そうとしたりすることではなくてむしろ、子供の強みを見つけ、それを伸ばしてあげようとすることだ!
とある出来事をきっかけに強烈に思うようになったそうです。
また既存の心理学は、こうした注目すべき人間の強みについて、ほとんど関心を払ってこなかった。このような強みはどこに由来するのだろうか?それらはどうすれば強化されるのだろうか? 

セリグマンは娘のニッキちゃんとのこのやりとりで、自分の親としての姿勢、セルフコントロール、心理学への向き合い方を考えたのです。
悪い選択をしないために何ができるか? と同様に、より良い選択をしていくために、自分の良さを活かしていくために何ができるのか?を考えていく。これがポジティブ心理学のスタートです。


Key2:ポジティブ心理学における幸せは「happiness」ではない

「幸せ」と聞くと「happiness」とか「happy」と英単語的にはおもいがちちですが、ポジティブ心理学が目指している幸せや良い状態とはそのようなものではありません。
ではいったい、ポジティブ心理学の目指している状態とはどのようなものなのでしょうか?

そこで出てくるのが「well-being」です!!

実はこれ、「身体的、心理的、社会的にすべてが満たされた状態」を意味する言葉です。「しあわせな状態」という意味で使われることもあります。

ポジティブ心理学では

Happiness=刹那的幸福
Well-being=持続的幸福

このように位置付けられています。
刹那的とは、たとえばあなたの大好きなパフェがあって、一口目を頬張る。最高に幸せな気分になる。真ん中くらいまでは美味しいけれど、終わりに近づくにつれて最初と同じような高揚感は持続されてますか??
このパフェの一口目が刹那的幸福です。

もちろん短期の幸せを幸せではないとは言い切れませんが、幸せな状態を持続的に継続する為には?を問うてる学問なだけに「well-being(よりよく生きる)」という意味合いを含んでいるので確かにしっくりきますよね。


Key3:well-beingの要素とは?

セリグマンは、人間が持続的に心理的に繁栄していく状態をフラリッシュ(Flourish)と呼び,幸せ(well-being)を一つの尺度で理解できるものではなく、次の5つが組み合わさったものであると伝えています。


 5個の領域とは、
P(Positive Emotion=ポジティブ感情)
E(Engagement=物事への積極的なかかわり)
R(Relationships=他者とのよい関係)
M(Meaning=人生の意味や意義の自覚)
A(Accomplishment=達成)です。


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well- beingには複数の要素が絡まって成り立つ。という考え方です。


Key4:ポジティブ心理学はネガティブをも大切にする

https://research.lightworks.co.jp/positivepsychology

ポジティブ心理学は、「ネガティブ感情」を否定しているわけでは決してありません。「ネガティブ感情」はむしろ私たちが生きていくために不可欠なものであり、いかにそれを正しく認識してコントロールするかが大切だとしています。
「ポジティブ」と「ネガティブ」のバランスは、個人にとっても組織にとっても、その健全な存続のために非常に重要です。
個人レベルと同様、組織レベルでも「ポジティブ」と「ネガティブ」の並存は不可欠です。ポジティブ人間=アクセル役、ネガティブ人間=ブレーキ役、と考えれば、理解しやすいでしょう。
調子のいいときはアクセル役に任せてバリバリとエンジンをふかしてもらい、事件発生時や急激な環境変化が予想されるときは、ブレーキ役が慎重に状況を判断して早め早めに「転ばぬ先の杖」をつく。
「あいつ、いつもネガティブなことばかり言って」などと、何かと嫌われがちなブレーキ役ですが、「行け行けドンドン」の雰囲気の中では、こういう人がいなければ会社は空中分解しかねません。
大切なのは、ポジティブとネガティブのバランスです。つまり両者のバランスがうまくつり合ってこそ、安定した強い組織が生まれます。
ネガティブ感情のコントロールは、逆境を乗り切り、素早く立ち直る能力であり、これを専門用語では「レジリエンス(Resilience)」と言います。

出典:幸せを科学する!「ポジティブ心理学」で組織に意識改革を起こす方法


今回は本当にさわりの部分を書いてみました。
次回からはなぜこの学問が組織へ活用することが有効と言われているのか?より良い組織を構築するためのリーダーシップとは?強みってそもそもなに?実際に組織へ流用する方法とは?等々
お伝えできたらと思います。

下記記事とても興味深いです。
ご興味あるかたはこちらもどうぞ!

★「well-beingとデジタルテクノロジーへの応用」


★「楽観主義は運を引き寄せる要因になる?」


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