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考え尽くせば、怖いものって、案外ない。

こんにちは、グランドデザイン・代表の西です。今回は前回に続き『未来シナリオ』の続編として、備えてれば案外怖いものってほぼないんだな、裏を返せば、備えないから僕らはいろいろ怖がってんるんだなって話をまとめます。僕は小さいながらも会社の責任者ですので、いま僕と一緒に仕事をしてくれている人達の未来に責任を持つことは重要な仕事の一つです。そもそも会社ってそこにいるメンバーの「自己実現」と「安全装置」が重要な両輪としてあるはずで、自己実現については普段から仕事を通して考えやすいものの、安全装置としての会社のあり方って経営者としての資質が問われるものです。そう思うと、なかなか痺れますが、変革期に入った今後の僕らの仕事のやり方に大きな影響を与える事項については目を逸らしていいはずもなく、その変化の起点とその先をまとめてみるのが、今回のnoteとなります。

まず、重要な変化とそれ程でもない変化を見分ける

まず今という時代に『どんな変化』が起こってくるかについては多くの人が語っているので、僕がそれをなぞることはしません。そのそもコロナがあろうがなかろうが絶えず変化が起こっているのは当たり前で、いちいち騒ぎ立てるのも変な気がします。ここで問題は『加速度的である』のと『予想しなかった変化』であって、今後の変化についてじっくり考えるならば、それを踏まえて重要な変化とそれでもない変化に分けるべきではないかと思うわけです。そう思うと、様々ある変化の中で僕らが最も恐るべき変化の条件は、
①大規模な変化
②突発的な変化
③後戻りしない

ということかなと思います。規模が大きいということはその変化の不可逆性が高いとも言えるし、突発的な変化は予想外なだけあって、対応できる(できてる)人とそうでない人の「アフター」に寛大な影響を及ぼすことを僕らはコロナ騒動で目の当たりにしたはずです。ならば、今後20年間の社会変化は加速すると言われる中で、まず重大な変化以外はどーでもいいと腹を括ってみます。そしてその変化に対して前向きに向き合った方がカッコいい。ここで思い出したのは石油メジャーのシェル。彼らは独自の『シナリオプランニング』によってオイルショックを予測し、原油価格が一気に5倍になったにもかかわらず、石油メジャーのなかでただ一社のみ「勝つ」ことができた話があります。それまで「オイルショック」など想像すらしなかった時代に、それを予想しアクションプランを持っていたことで予定対応できたことは、かっこいいなぁとしか言えない。きっと当時のシェルの経営者一族は今も誇りに思っているでしょう。何より変化に受動的にならず能動的であるのがいいじゃないですか!

大変化の源流はどこから?

あらゆることが変化していく中で、源流となるポイントはどこにあるのか?と考えれば、その答えはまず「人」があって、その人が生み出した「テクノロジー」があって、人の思いのままにならない「環境」ということになるかと思います。この3つを俯瞰で見れば、まず「テクノロジー」がほとんど全ての変化の起点になること。特に、5G・AI・自動運転・ブロックチェーン・電子コンピューティング、これらの進化が今後僕らをどこに連れて行ってくれるのかと思うと、僕はワクワクします。例えばZOOM一つで、僕らの会議の仕方は変わったし、その変化が僕らの働き方、暮らし方を大きく変えようと「バタフライがエフェクト」しています。そんなこんなで、2025年の東京一極集中のピークは予測を5年も早めることになりました、凄いですね。
そしてそのテクノロジーは医療も進化させて、僕らの人生は100年に延長されました。何にせよ変化とはそもそも「人間中心」の変化ですから、その主体の人生が80歳から100歳あたりに延長されたこと自体が及ぼす影響は計り知れません。思いを馳せれば、いま定年を迎える60歳前後の方々にとって、『残った40年をどう生きていけば良いか?』は重要な課題としてあるはずです。彼ら彼女らは子供の頃から、人生がそんなに長いと思わず生きてきたはずなので、そんなこと急に延長されても、、ですよね?いま世界中の60代の方々が「ファーストペンギン」となって新しい老人のロールモデルを創造していってくれると僕は期待しており、その後の世代はそのロールモデルを学び自分の人生を再設計する恩恵を受けることになるはずです。
しかしこれら「テクノロジー」「人生100年」は実はどちらも既に予測されていたことです。誰か頭の良い人がどこかで予測していたけど、僕らが気にかけていなかっただけのことだと気づかされます。だとすれば、残る環境分野で僕らが普段気にかけないけれど、発生すると『重大な変化』をもたらすものは何かと問えばやはり『自然災害』ということになります。

最も重大なテールリスクは災害

老後の問題もテクノロジーによる変化も、明日の僕らにどうこうしろと迫るものではありません。しかし自然災害は違います。温暖化による気候変動(諸説あり、大きくはいま地球は寒冷化にも向かっている)によって災害の規模が過去にない規模になっていることは人類共通の課題として残っています。雨が降りすぎて土砂災害を警戒している日本の隣で水不足で半導体の会社が稼働できずピンチに陥る台湾と似た構図が世界のあちこちでで発生しています。その上泣きっ面に蜂とはこのことで、僕らの住む日本は地震大国ですから、明日どこに大きな地震があってもおかしくない状態です。こうもリスクが山積すると僕はすぐに思考停止します。しかしだ、、ここで思考停止に陥っては「シェル」のようにはなれません。

気を取り直し、自然災害に目を凝らして見ればいくつも種類があることに気づかされます。よく報じられているのは意識高い系ニュースサイトで取り上げられる『SDGs〜脱炭素系』がありますが、これも老後延長やテクノロジーと同様に重要ではあるものの、中長期課題です。ならば短期的な課題は何かといえば、僕はやはり日本においては『地震(主都直下&南海トラフ)』と『富士山噴火』じゃないかと思います。南極の氷が溶けるのも心配だけど、足元を見た方がいいんじゃないか。東日本大震災の記憶も鮮やかに残るいま、あの規模の地震が東京に来ると何が起こるのかを想像すると、またも僕の頭は思考停止に陥りそうになります。だったら、よく知る人に聞けばいい。日本は先進国の中で最も地震の多い国であるということは即ち、日本の地震研究は世界でもトップレベルにあるはずで、まずはその人に聞けばいい。僕は火山学者で地震学者の鎌田浩毅(京都大学元教授)の著書を拝読。その結果、『地震と富士山噴火』はやはり僕らが最も準備しておかなければいけないテールリスクであることに間違いないという確信に変わりました。本の概要を説明するととこうなります。
◯日本の地震の活動の歴史を紐解くと、活動期と静穏期に分かれ、現在は活動期に入っている。特に大規模な被害が予想され注意が必要なのが、①首都直下型地震 ②富士山噴火 ③東海・東南海・南海地震+日向灘(宮崎県沖)
◯東日本大震災の誘発地震は今も続いており、最も心配されるのが同じプレート上にある「首都直下地震」。2011.3.11の直後から関東にある火山の直下地震が10箇所以上発生している。
◯富士山噴火も前回から300年の間隔が空いており(前回は200年、それまでは100年間隔)既にスタンバイ状態にある。いつ噴火してもおかしくない状態。昨年4月に政府は富士山噴火警告シュミレーションを発信している。噴火の予兆は必ずあるもので、山頂の北東部、小御嶽神社があるあたりが想定される。前回の噴火は三連続地震の49日後に噴火した事実から、主都直下地震か以下に示す三連続地震と連動し噴火の可能性が高い。
◯東海・東南海・南海地震の「三連動地震」は、定期的に起こっており、次回は2035年を中心に±5年が警戒期間となる。
「三連動地震」は起きる順番が決まっていて、最初に東南海地震(名古屋沖)から始まるり、次に東海地震(静岡沖)、そして最後に南海地震(紀伊半島沖)と続くのが正常シナリオ。しかし東日本大震災の影響が大きいため、もし東海方面からストレスがかかっており、東海地震から始まる可能性も残る。
こーんなこと、政府は何もしないで見守っているのか?と僕は疑念を持ちました。だから調べてみました。すると、あるわあるわ。日本政府は国費を使い地震や噴火に対するシュミレーションを毎年続けているのです。以下はみなさん知っておいた方がいい主なものだけリンクを貼っておきます。

【地震関連】
◆地震ハザードステーション(J-SHIS) https://www.j-shis.bosai.go.jp/
◆地震動予測地図 https://www.jishin.go.jp/evaluation/seismic_hazard_map/shm_report/
◆地震調査研究推進本部 https://www.jishin.go.jp/
■主都直下で想定される揺れ
http://www.bousai.go.jp/kyoiku/bousai-vol/drill/h26/tokyo/tokyo03_kato.pdf
■震度一覧https://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/shindo/
【富士山噴火】
◆富士山火山防災マップ http://www.bousai.go.jp/kazan/fujisan-kyougikai/fuji_map/
◆富士山噴火シュミレーションhttp://www.bousai.go.jp/kazan/kouikikouhaiworking/pdf/syutoshiryo_01.pdf
http://www.bousai.go.jp/kazan/kouikikouhaiworking/pdf/syutoshiryo_01.pdf
◆噴火の想定被害
https://www3.nhk.or.jp/news/special/saigai/natural-disaster/natural-disaster_07.html

これらの研究は毎年更新されており、常に最新版であるかを確認しておくのがいいでしょう。

リスクを上手に『いなし』、前向きに『ベット』!

これを見たら日本を逃げ出したくなる人もいるでしょう。そう、全ての可能性を足し算すると日本にはどこにも安全な場所はないことがわかります。でも全てが同時に発生することはありません。だからそこまで不安になる心配はないことも分かります。一方これら研究にかけたコストと熱量を想像すると、僕らは税金を払っていて良かったと思うべきなんじゃないかと僕は思います。地震の多い国は数あれど、ここまで地震や噴火を研究しシュミレーションをしている国はあるのだろうかと?ただ怯えるのではなく、ちゃんとそれらの研究調査結果を学べば、リスクを上手に”いなす”方法はちゃんと見えてきます。

①まず自身の身を守る
これは既に多くの情報があるので詳細はそちらに譲りますが、揺れは一瞬でしかありません。この揺れによって直接亡くなる方は非常に少数である事、その後の火事、津波の方が危険だというのはもう周知の事実です。まずみんな自分が生き残る事に成功すれば、死者はゼロということになります。正しく知れば恐るに足りません。まず自らが住む自治体や国の防災ページを調べてみてください。その地域で起こりうる災害のシュミレーションはほぼされており、それを知っておくことがちゃんと生き残るStep1です。支払った税金の恩恵を受けましょう。

②次に家族や周囲の人を守り助ける
それでも困っている人が周いに居るなら助けなきゃいけません。その時世の中がどういう事態に陥るかは僕らは経験してるし、少し学べばわかるので、僕ら『人』として『デザインチーム』としても考えられる準備はしようとしています。その一つで既にアウトドア好きの藤原くんが防災の備えをnoteにまとめてくれています。アウトドア好きの人ならピンと来るはずですが、アウトドアグッズは安っぽい防災用具より性能が高く、もしもの時に重宝するはずです。

③より多くの困っている人を助ける
次のステップはより広範囲に困っている人を助けにいく番です。昨年弊社で作ったBOUSAIのインスタグラムは、その一つですが、このステージのプロジェクトはまだまだ足りず、もっともっと計画して実行しなければいけません。被災時の情報の取り方、整理の仕方、届け方など、それがあったおかげで助かったと言ってもらえるものは何か、考えていきます。火事の起こりやすい地域は予見されているし、津波も警戒地域が指定されています。まずはこの辺りを中心に考えてみるといいのかも知れません。これは僕らの宿題として。

④アフターの混乱を乗り越える
最後に地震・噴火後の混乱状態を、会社として如何にくぐり抜けるかについて計画しておかなければいけません。日本は東京一極集中という弱点を持ったまま、首都直下地震・富士山噴火を迎えることになるはずです。主都直下地震が来れば人命救助が最優先され、様々なものが一旦ストップします。火山灰が東京に降れば電車・飛行機・クルマの移動手段は動けないこと、神奈川や千葉にある火力発電所は止まること、各地にある浄水場は汚染の危機に見舞われます。会社の拠点を分散しておくのも一つの手ですし、収入源を国外に分散するのも有効かと考えています。

以上準備をちゃんとしていれば、破壊的リスクを恐れるどころか前向きに立ち向かえると「シェル」は教えてくれています。さてなかなかの長文になりました。天国の邱永漢さんなら、noteを書いてる僕を馬鹿にして笑っているのかも知れません。笑
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