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遅れたMerry Christmasと新年の準備と

わたしは、部屋へ戻ると1番に彼女へ連絡した。

「はーい、今日は早いね〜。どした〜?」「29日に帰れるって。」

「本当に?」「そんな、嘘つかないって。やっと帰れるよ~。」「良かったね。」彼女は、『ほっ』と胸を撫で下ろしたかの様な声で喜んでくれた。

「何食べたい?」わたしが、病院食に飽きていたので、早速、腹を掴みにかかる。

「何でも良いけど、チキンにしようか?遅くなるけど、今年のクリスマスをしよう。」とわたしの提案に、「凄くいいね。ケーキも準備しておくね。」弾む話しと明るい話題で、あっという間に時間が立っていく。


気分が凄くいい。彼女との会話に笑顔が見えた気がした。


夕方に看護師さんから「おめでとう。退院が決まったって聞いたわよ。」「ありがとう。」「もう、1ヵ月かぁ、もっと前からいた様な気がする。」何処かで聞いたことのあるフレーズに、子供の頃の1ヶ月と大人になり、家庭持ちの1ヶ月は重みが違うと感じながら「取り敢えず、帰れるよ。」と答えた。

(わたしは、何とかなる物だ。適切な処置が、何なのかは分からない。しかし、頭痛や吐き気、胸痛も残ったままだが、心臓は動いている。彼女と子供に、元気で暮らせる。と嘘でも良いじゃないか。誰にも壊させないと思い願う。)


退院の日、彼女が迎えに来て挨拶とお礼をしながら病院をでた。


『寒い。』

「さぁ、帰ろうか。」とタクシーに荷物をいれて、乗り込む。

家について、荷物を置くと今度は子供を迎えに行く。

わたし達を見て、ニコニコしながら駆寄ってくる。

抱き上げながら、「じゃ、行こうか。」と声を掛ける。


4日遅れのクリスマスパーティー、料理は出来てる物、下拵えは済んでいる物、ケーキは帰りに受け取って来たので、子供と遊んで待っていた。久しぶりの食卓に、会話も弾み疲れてしまったのか、ウトウトと頭が揺れる。「お風呂に入って、寝たら。」と言われるがまま、子供と久しぶりに一緒に入る。

その夜は、久しぶりの川の字でゆっくりと眠ることが出来た。

と、日が開ける。大晦日前日!掃除を済ませ、今度は年越しの準備だった。

お節は、食べたい物を買って重箱に入れていくだけなので、スーパーに商店街を歩きながら選んで行く。蕎麦の方は、麺と海老天、蒲鉾にかき揚げが食べたくなり追加で購入した。

「結構、いっぱいになったね。食べきれるかな~。」「ゆっくりすれば。まだ、無理しちゃダメよ。」と諌められる。

「初詣は、願掛けに行こうよ。」「近くじゃないとダメよ。」「もう、ダメが多いなぁ。」「仕方ないでしょ!・・・仕事も復帰したら、体に負担がかかるし、休める時にゆっくりしなきゃ。」

彼女の言葉に、温かい気持ちになる。

(こんな、わたしに居場所をくれて、付いてきてくれてありがと。)


結局、近くのえびす神社に決定した。


いつも読んで頂きありがとうございます(*´∀`)