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サンタと年末と

いつものように、朝が来る。

薬の方は、変わらないが普通に生活がしたいだけなので、このくらいは我慢である。


あれから、見舞いを兼ねて様子を見に来た上司からも、お菓子を貰った。(流石である。終始、笑わせてくれる。適度に長居せずに帰っていく、「無理はしないよにな。」「皆に、よろしく伝えて下さい。」手を上げながら部屋を後にする。)


診察で、未だに変化が脈に無いが、意識が無くなるようなこともなく。経過を維持観察であった。

わたしは、「年内には、何とか帰りたい。何か方法は、ないですか?」「今の状況で、退院は危なくて無理です。不整脈が改善し脈が上がって来れば、外来対応でもいいでしょうが。」「自宅療養から、来年は仕事も復帰したいので諦めたくない。」と一方的な言い分を、ぶつけてしまった。「薬を選択したのだから、調整も時間もかかるのも分かって下さい。効果が、出ない可能性だってあるのだから。」

しかし、仕事をしなければ生活が成り立たないし、家族との時間を大切にしたいという想いが勝ってしまう。

「それでも、外来でお願いしたいです。仕事も家族も大切なんです。」

「ギリギリまでは、見ておかないと、それで最終的に判断をしましょう。」


ありがたいことに、聞く耳を持ってくれた先生で良かった。

しかし、頭痛も吐き気も副作用が出たのだから、脈もちょっと上がってくれても良いのに。

胸痛との関係性もわからないのに、とボヤいてしまう。


※ ※ ※ ※


今年も、後10日で終わる。

調子がいいと思う。思うのは自由なので、勝手に思い込むようにしている。


彼女と子供は、相変わらず寒いのに見舞いに良く来てくれる。

「いつも、ありがとう。」「いいわよ。調子は、どうなの?」「おかげさまで、最近はいい感じ。」「退院早く出来るといいね。」

勿論、早く帰るつもりだ。


それにしても愛の言葉を、わたしは余り口にする事がない。態度と行動で表現してきたのだが、今はそれすら出来ていないじゃないか。

彼女は凄く親身になってくれている。

わたしは、どう報いていけるのかなぁ。と考えてながら1日1日と過ぎていく。


イブの日、明日は診察がある見たいね。と看護師さんに言われた。

「今年も終わりですもんね。来年は、良い年になります様に(南無南無)」「まだ、早いわよ。」笑いながら少し話した。


翌日は、朝から診察で先生に呼ばれた。

今年、最後のかと思いながら椅子に座る。

先生から、「ここ数日だけど、少し脈が上がって来ていますよ。不整脈も、来た時ほど酷くない。」少し笑いながら、ちょっと驚きながら話が続く。「正直、まだ早いと思うけど条件付きで退院を29日で認めてもとなってね。」「ホントですか!」わたしは心底ビックリした。(南無南無した会があった。)

「昼間で、50あるかもで夜は、30は超えたけど40は無いそうだ。」「そんな数値でいいの?」「駄目ですよ。条件付きです。薬の方は続けて服用すること。心電図を定期的に受けること、年3、4回でお願いします。返事と紹介状を書いておきます。掛かり付けのクリニックの先生に、渡して下さいね。情報はこちらでも共有させて貰いますよ。」「はいっ」

思い掛けない、状況に只々嬉しくてニヤけてしまう。

「気をつけて生活をする様に」、ここに来るまで言われていたことと同じだった。「倒れてここに運ばれたら、手術だからね。」「あ~、あと分かってるだろうけど、運動禁止ね。心臓に負荷を掛け過ぎると危険だから。息切れしない様にして下さい。」

注意事項など聞きながら、帰れる事に舞い上がる心が、体にも落ち着かない様で、「最後までちゃんと聞いて下さい。取り消しますよ」と怒られた。


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