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検査入院と孤独な夜7

体調も良く、顔色も悪くないと朝から言われた。

彼女も昼には来るだろう。

わたしと彼女は、明日のカテーテル検査のことで、再度説明を受ける。

ちょっと違ったのは、カテーテルを検査後に1部分を残しておくことであった。

「何のために残す必要があるんですか?」と聞くと、ペースメーカーの取り付けの際に使えるようにしておくとの事だった。

わたしも、彼女も、もう聞くのを止めた。

部屋に2人、今日は、子供を保育園に預けてきていた。

わたしは「まだ、決まったことじゃ無い。

別の方法が有るかも知れない。」

わたしの言葉に、頷く彼女。

(何としても、回避したい。

迫る現実に、抗う方法をわたしは持っていなかった。

しかし、認める理由にはいかなかった。)


※ ※ ※ ※


その夜、わたしは新たな現実に抗えないでいた。

それは、20時ごろに[いつもの同じくらいの年の]看護師さんが来て「ごめんね~、忘れてて。明日の検査で、剃らないといけなかったぁ。」

「何を?」と一応確認する。

笑いながら、「下の毛」と言う。

(何おう!)と思ったら、「止血や感染症の為に毛は剃っておかないといけないの。」確かに、足の付根からカテーテルをいれると聞いていたが、そんなトラップが潜んでいようとは思はなかった。

「大丈夫よ、慣れているから。切ったりしないから、安心して寝てていいよ。」

カミソリと剃った毛を入れるトレイを手に近づいてくる。

(いやいや、わたしの心が大丈夫じゃない。しかも、わたしは、初めてで慣れていないからぁ。)

「あっ、自分で、綺麗にちゃんと出来るなら、それでも良いけど、とうする?」

「やった事ないので、綺麗とか分からないし、ちょっとは切ってしまうかも知れないけど。」

「なら、任せてそんなに時間もかからないし、おじいちゃん達の何回もしてるからね。」

「いやいや、まだ20代だよおじいちゃんじゃないし、何の罰ゲームなん?」最後の抵抗で声を上げるが、もう、すぐ横でわたしのパジャマのズボンは下げられそうだった。

(彼女と子供しか見られたことないのに~。)心の声が叫びを上げるが、淡々と進める看護師さん、『ジョリ、ジョリ』と音が聞こえる。

手を顔に当て、見ないように視界を防ぐ。色々と、これからの事など考えなきゃと思っていたのだが、とんだ羞恥プレイである。

「終わりましたよ(笑)」

座り下を見ると、綺麗に剃られ顕になっていた。「やっぱり恥ずかしかった」「当たり前じゃん、ふーっ」と息をつき、片付けをしながら少し話して、「じゃ、今日は早く寝てくださいね。」と部屋を後にしていく。

違和感しかない。手を入れて確認しても、あったはずのものが無く、ツルツルとした感触に深刻に考えてたのに、急に笑いがこみ上げてくる。今日は、最後にリラックス出来たように感じ、余り悩んでもしょうがないと少し気持ちが楽になった。

p.s.
いつも読んで頂きありがとうございます(*´∀`)

「なろう」掲載中で、コピペに失敗している事があるようで、すいません。