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検査入院と孤独な夜9
「しまった!」
わたしは、もう仕方がなく彼女を呼ぶ、「もう、終わったの?」
彼女の問に、わたしは「ごめん、1人じゃ出来ないみたい。」
「はっ?」と察した彼女に「悪いけど、手伝って」と言った。
彼女の心が『やっぱりぃ』と言っているのが顔に出ていた(笑)
お互いが、初めてで(ちょっと?引いている)彼女と見つめ合う目と目。
観念したのか、持ち上げた瓶を、股間に当て「入ってるの?この角度でいいの?」と話しながら、「こぼれないなら、問題ないし斜めってないならいいんじゃない」と答えてタオルケットで隠してはあるが、音は隠せない。
何がいけなかったのか一瞬の出来事だった、「きゃっ」と彼女の声と共に瓶がまた足へ挟まった。
『失敗だ』じゃ~と外へ流れだす。
わたしは、ボタンを押し「はいっ、どうしました?」と看護師さんへ失敗したことを伝へた。「今、行きまーす。」
彼女は両手が濡れている。「そこで洗って来て。 ごめんね」と声を掛ける。洗いながら「ごめんね」と彼女も話しなから笑っていた。
(先ず、手が届かないなんて、思わなかったし、見られるのを最小限にしたかったと考えたが、これでまた皆に見られる。ガックリである。)
看護師さんがやって来ると、笑いながら手早くタオルケットやシーツ、寝間着などの後始末をしてくれた。
「すいませんが、先生にチューブでお願いって言ってください。」とわたしは伝えた。
彼女と子供と「最初から、こっちにしといたら良かったね」と話しながら、作戦の失敗を笑いあった。
後は、検査の結果であった。
何を言われるか、原因は何なのか?
先ずは、情報をしっかり集め何が出来るのか、出来ないのか。
それから、解決方法だ。
先生が、処置してくれたチューブの挿入は、痛かった。違和感しかない。
それにしても、彼女が笑って話せることも内容が何であれ、嬉しいと正直に思った。
「早く家に帰りたいなぁ。」と呟く。
もう、暗く静かな部屋で、1人になると寂しさが込み上げてくる。
今、彼女は何をしているだろう。
全てにおいて、不変な物は無いが可能ならば、この家族と最後まで一緒にいたいと願いながら眠りについた。
いつも読んで頂き、ありがとうございます。