記憶と嘘

昔娘が小さな時、
私は娘を殴りました。
鼻血が落ちシーツを汚しました。

娘が小学生になり、
母にこう言いました。

「パパに殴られたことある」

たまに、この話を言ってくるらしく、
母との会話で初めて知らされました。

はじめは、私似の娘なので、
私の為に嘘をついていたのかと思いました。

母には、
「ちがうよ。全部わたしがやった。
 今まで〇〇(旦那さん)は手もあげたこと   
 もない。」

娘に尋ねました。
「嘘をついてくれたの?」

娘は、パパだと思っていたそうです。

今よりもっと小さな娘の記憶。
消したい怖い記憶。

「ママがやったんだよ。」
新しい記憶はどうな反応を起こしたのでしょうか。

過ちは消えない。
消してはいけない過去。
私の勝手な十字架。

娘を抱きしめ、愛してるとささやきました。

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