カミソリ

次女との約束。
お髭を剃るから返して。
睡眠薬をたくさん飲んで、無表情で言いました。
長女が隠した場所から、ティッシュでグルグル巻きにされたカミソリを取り出し、私に返してくれました。
何度も娘は尋ねます。
お髭剃るんだよね?
そうだよ。
刃物を手にし、同じ場所を切りつけました。
娘が来て、椅子の隙間にカミソリを隠しました。
そして、もう一度尋ねられました。
怪しかったんだけど、してないよね?
してないよ。
袖口に隠れた傷には気づかれず、そのまま、おやすみを言いました。
その後、涙がこぼれます。
小さな娘とした約束を、簡単に破った事。
何度も、何度も。

その後、椅子の上で腕から血を流した私を旦那さんが発見しました。
睡眠薬を多く飲んだので記憶はほとんどありません。
殴られたのは覚えていて、
薬をたくさん飲んだのか?と聞かれたような。

旦那さんが言うには、薬のせいか、舌を出して、犬のように寝ていたそうです。

朝起きると絆創膏が貼られていました。

そんな事が数日前にあったのに、私の手にはカミソリがあります。

血が見たい。そう思わせる何かが肩を傷つけました。

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